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罰 ページ4
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そんな気持ちを抱えたままでも、
この時はまだかなり幼かったAに対して、
僕は何か行動を起こせる訳もないし。
僕はAとどうにかなろうなんて、考えていなかった。
そしてその内に、電車で通える距離にあった国立の大学に合格した僕は、実家からそこへ通うようになった。
Aも中学生になり、ますます僕の気持ちは大きくなっていた。
流星の高校とAの中学は近い距離で、
毎日二人は一緒に帰っているらしい。
そんな日常が覆ったのは、しばらく経った頃。
僕が大学四年生、Aが中学三年生の時だった。
雨が強く降っていたのを、今でも覚えている。
その日、僕は大学が四限までで、
家に着くとAの姿はまだ無かった。
多分また流星と二人、ゆっくり帰ってきているのだろう。
溜息を大袈裟に付きながら、
ベッドでだらだらしていた夕方五時頃。
慌ただしいドアの開閉音と階段を登る足音。
「お兄ちゃんっ、！」
「どうした？」
全身ずぶ濡れで、髪は乱れ、
膝を擦りむき、号泣しているAが、
僕の前で立ち尽くしていた。
そこからの自分の行動は曖昧で、
気が付くと病院の待合室に座っていた。
今度は、自分を呪いながら。
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作者名：みなみ | 作成日時：2023年6月20日 16時
