答え合わせ ページ24
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残業する、とAに連絡してから、
突然仕事の締切が変更になって、定時で帰れることになった。
ここ最近は、仕事が立て込んでいたから、
定時きっかりで帰れるのは久しぶりだった。
お盆休みも終わり、
Aの夏休みはあと二週間ほどしか残っていないから、
傍に居ないと、と。
足は自然に早まる。
Aが夏休み明けからちゃんと学校に行けるように、
しっかり支えてあげたいという気持ちが半分、
Aが家に居てくれて、ゆっくり過ごせる時間を無駄にしたくないという気持ちが半分。
いや、後者の方がちょっとだけ大きい。
まだ外が明るい内に帰ることが出来るのは、やっぱり嬉しい。
電車が帰宅ラッシュで座れなくたって、
僕の心は晴れやかだった。
電車の中で、Aに残業が無くなった連絡をしようと携帯を開いてから、やっぱり、と携帯を閉じた。
こっそり早く帰って、Aを驚かせよう。
Aは喜んでくれるだろうから。
残業の僕に合わせて、まだ晩御飯の準備もしていないだろうし、
今日は二人で久しぶりに外にでも食べに行こうか。
駅を出て、上機嫌の延長で近くのケーキ屋に立ち寄り、
白い箱を揺らさないように気を付けながら、足を早めた。
スーパーの前を通り過ぎようとした時、僕の足は止まった。
スーパーの向かいにある公園のベンチにA、
そして、男が並んで座っているのが見えたから。
僕は、あの人を知っている。
数ヶ月前までは、毎日のようにその名前を聞いて、
何度も写真を見せられていたから。
「何でっ、」
Aの隣に居たのは、彼奴。
小瀧望だった。
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作者名：みなみ | 作成日時：2023年6月20日 16時
