グランド・フィナーレ〈赤〉第二章 (ページ2)

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そんな矢先だった。

流星も家に呼んで、久しぶりに三人で遊んでいた時。

その日は金曜日で、次の日が休みというのもあって、
流星は夜になっても僕たちと遊んでいた。

時計がもう八時を指しているのを見て、
流星には泊まって行き、と言い、
Aにはお風呂に入ってしまうよう促した。

流星が泊まると聞いて、そんなに珍しいことでは無いのに、
大はしゃぎで慌ててお風呂に向かったAの後ろ姿を、
僕はただ見つめていると。

「大ちゃん、」

流星がすっかり声変わりした低い声で、僕の名前を呼んだんだ。

「どした？」

「…Aと大ちゃんってさ、
何か普通の兄妹よりも、結び付きが強いっていうか。
何か特別な雰囲気あるよな」

その言葉は嬉しくもあり、僕の体を強ばらせる言葉でもあった。

この時の僕は怖かったんだ。

七つも年下の、実の妹を、
明らかにただの家族として見れなくなっていっている自分を、
認めるのが。

だから、自分にそんなことは有り得ないと言い聞かせて、
現実から目を背けていた。

「っ、…まあ仲良いからな。
でも、普通の兄妹と同じやで？」

「そうなん？」

「…当たり、前やんか」

「なら、俺、そこに割り込んでもええんかな？」

「え？」

「大ちゃん、俺、Aのこと、好きやねん」

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