なんだかんだ可愛がられる紅一点 6

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ラ｢女の子だってわかってたのにジャニーさんは合格させたの？てっきり男だと思ってたのかと…｣



向｢俺もそう思てた。女子グループ作ろとしてたんやろか｣



『いや、そういう話は聞いた事なかったよ。だけど、ジャニーさんにアイドルとしてデビューさせるつもりは無かったと思う』



岩｢そういう噂は確かにあった。AAはデビューしないだろうって｣



『だよね。まずグループに入れたのが奇跡だからさ』




ジャニーさんが私を合格させたのは、あくまで実験台だったっていう説もかなり濃い。



本当のことを知るのは怖くて聞けなかった。



ただ自信をもって言えるのは、私のダンスもアクロバットも、歌も、認めてくれていたということ。



｢YOUは女の子だし、デビューは出来ないかもしれない。だけどその才能は本物だよ｣



そう言われた。才能は本物だと言ってもらえたのは心の底から嬉しかったし、その時のジャニーさんの声も、言い方も全部覚えてる。






最初こそ気づかれなかった“女”だという事実は中学を卒業する頃にはほぼ全員のジュニアにバレていたし、隠しているわけでもなかったのに嫌なことを言ってくる奴もいた。



だから尚更、大学入学を機にジャニーズは辞めようと思っていた。違う場所で生きていった方がいいかもしれないと。



入所の日から女の子だとわかった上でずっと仲良くしてくれていたさっくんは、辞めようと言う私を引き止めてくれていた。



大学へ行くからジャニーズ事務所を辞める。そうジャニーさんに言ったのは高校3年の夏。



勉強の出来は悪くなかったし、都内で行ける大学があればいいと思う程度だった。



そのせいかジャニーさんは、｢もうちょっとやってみたら？何か変わるかもしれないよ｣と引き止めた。




その年、6人に混ざって滝沢歌舞伎へ出演することになった。




阿｢歌舞伎で合流する前から大学受験する子がいるって言うのは聞いてたんだよね。ちょっと親近感わくなあって思ってたよ｣



『私も聞いてた。同じ環境の人が頑張ってるんだからお前も続けてみろって言われてるのかなーとか思ってたし』



深｢そんなことのためだけにキャストに入れたりしないよ、滝沢くんは｣



『うん…、5月3日にSnow Manって名前が発表されてわかったよ』



私はもしかしたらジャニーズに必要とされているんじゃないかと思えるようになった。

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