46 ページ47
『………』
皆がいる食卓へ恐る恐る顔を出すと、目黒くんやラウールくんが食器を運んでいた。
いち早く私に気づいた深澤先輩と岩本先輩はソファから立ち上がってすぐに走りよってきた。特に前者のスピードが早すぎる。
岩｢ふっか早すぎて怖い｣
冷静な言葉に瞬時に反応した深澤先輩は、私と1メートルぐらいの距離をたもって立ち止まってしまう。
岩｢気分は？｣
『大丈夫です、康二くんが持ってきてくれた薬がちゃんと効いてます』
岩｢良かった。＿＿ほらふっか、大丈夫だって｣
『？』
深｢A、ほんとごめんな…？｣
『っ謝らないでください、私は大丈夫ですから』
深｢せっかく俺らのこと信頼出来るようになったかなって思ってたのにさ…、俺…｣
『それは私のセリフです。昨日肩叩かれて変にびっくりしちゃって…謝ろうと思ってました。
深澤先輩に寂しそうな顔して欲しくありません。ごめんなさい』
今回のことは確かに驚いたし戸惑ったけど、結果的にヒートの症状は和らいだし助けてもらったのも同然。
頭を下げてまた上げると深澤先輩も一緒になって頭を下げていて、私もまた頭を下げてごめんなさいした。
どっちも辞めないから永遠とお辞儀が続く。それを見て岩本先輩は多分笑ってる。止めてくださいよ。
宮｢じゃあ2人はおあいこ。謝るのやめて、皆でご飯食べよう｣
『＿＿はいっ』
深｢Aありがとう｣
『こちらこそ、ありがとうございます』
私みたいに困ってる生徒が居なくならないなら、私もその人の力になりたい。
助けてくれるなんでも相談部の皆に還元できるようなことをしたい。
『あ…、あの』
目｢うん？｣
『私、なんでも相談部に入部したいです』
びっくりしている皆。力になりたくて言ったけど、むしろ足を引っ張ることになるかな…？
ラ｢入ってなかったの？？｣
『え？』
深｢毎日部室来てたし、あべちゃんは入部届け受け取ったって言ってたけど？｣
『私書いてません…、誰が…』
佐｢俺｣
『何してるの…！』
にゃはーって笑って誤魔化す佐久間くんに鉄槌を下す。宮舘先輩は、佐久間のご飯取り上げようかな…とボヤいていた。
岩｢じゃあ、正式に入部だな。よろしくA｣
『はい、よろしくお願いします！』
こうして、優しい9人に囲まれながらの私の寮生活と部活動が始まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2665人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅彩(プロフ) - あやかさん» 楽しみにしていただけて本当に嬉しいです！学んでいると言っていただけると、丁寧に書いてよかったなと思えます(´∀｀*)出来るだけ毎日お届けできるように更新頑張りますね〜！ (2021年7月12日 23時) (
レス) id: 4196f501cf (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 今まで、オメガバースをあまり読んでこなかったのですがこの作品は主人公が皆にオメガバースについて教えてもらうシーンが多く、実際に読んでいる私もふむふむ...と一緒に学んでいます笑 今1番更新を楽しみにしている作品です！無理なさらず、頑張ってください！ (2021年7月12日 23時) (レス) id: 4008fd041a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅彩
| 作成日時：2021年6月25日 19時
