振り向いてもらえるまで (青) (ページ3)

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渡｢ってかA、好きって言われてときめかねぇの？｣

『ときめく…』

言われ始めた高2の頃は、もしかしたらときめいてたかもしれないけど…

もうそんなの記憶にないぐらい言われてる。

宮｢ね、翔太。Aの顔が全て物語ってるよ｣

渡｢ちょっとはときめけよ！｣

『いやいや…』

私が翔太の言葉を真に受けない理由に、大きなものがひとつある。

色んな女の子と遊びに出かけたりすること。

これが大問題すぎる。

高校卒業頃に舘さんに言ったら、そうだね…あれどういうつもりなんだろうね…って呆れてた。

『違う女の子とホイホイ出かける男の“好き”ほど信じられないものないよ』

渡｢別に誘われたから出かけてるだけだよ｣

『………そういう子だったわ、なべは』

渡｢……？｣

こりゃダメだ。

『まあまあ、とりあえず教室行こう。あの建物だよね、オリエンテーション』

渡｢待って｣

『なに…？』

渡｢俺、お前に振り向いてもらえるように頑張るわ｣

『え？急にどうしたの…』

渡｢言葉でダメなら行動で示す。見てろよ、バカなりにやってやるからな｣

これで自他ともに認めるバカになった訳だけど…。

なべの顔がいつになく真剣で、少し戸惑ってしまった。

もしかしたら、本当に私のこと好きだと思ってるのかな…

なんて思ってしまうほど。