拾って (紫)

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翌朝。


いつもより早く起きてふっかの荷物をまとめるのを手伝った。



荷物って言っても2人で出かけた時に買った服をまとめただけだけど。



『しばらくふっかの晩ご飯食べられなくなるんだね』



深｢なに、寂しいの？｣



『そりゃ寂しいよ。居るのが当たり前になっちゃってたし』



私の出勤時間に合わせて一緒に家を出た彼を横目に素直に気持ちを吐くと



ちょっと照れたように顔を背けるふっか。




起きた時は、近い駅に行って実家に戻ると言っていたのに



結局私の会社前まで着いてきて、奇跡的に目黒と遭遇した。





目｢え、うわ！！｣



『何その反応』



目｢連絡来てたんで知ってはいましたけど、いざ2人並んでるとこ見ると…ちょっと感慨深いっす｣



深｢後輩感強いめめ懐かしいわ｣



『めめ』



すっごいあだ名。私もこれからめめって呼ぼうかな。



深｢めめ、A俺のだから｣



目｢何のアピール…うぜぇ…。岩本くんに言っとこ｣



深｢照はダメ絶対｣



『私を蚊帳の外に放り投げないで？？』



そう抗議すると、ごめんごめんって頭を撫でてくる。



いや、ここ会社の前なんですが。恥ずかしいわ。




目｢Aさん、もう始業時間になるんで行きましょう｣



『あ、そうだね。＿＿じゃあね、ふっか』



深｢ん。俺頑張るわ、待ってて｣



手を振って会社に入り、振り返って外を見てももうふっかの姿は見えなかった。





オフィスについて気づく。連絡先を交換していないということを。



今までもやり取りしてないし、交換したら会えちゃうからだめか…？



でも寂しすぎない？



『死んだわ』



目｢最悪俺が連絡とりますし、ふっかさんだから大丈夫ですよ｣



『…そうだね、信じて待つよ』

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