目が離せない ページ31
青side
『わたしも、すき』
俺の胸に顔押し付けたまんま、Aが話す。ほんまは顔見たいんやけど、顔を覗き込もうとしたらさらに力入れて抱きついてきたから、諦めてあげる。
やっぱり、Aからの好きは、何回聞いても安心する。ドキドキもあるけど、心があったかくなるような、俺にとってはそんな言葉。
『ずっと、ずっと、好きって言って欲しかった』
「ん…ごめんなぁ」
『んーん…聞くの、こわかった』
Aの声が、少し震えたような気がして。
落ち着かせるように、背中を撫でる。
ゆっくり、ゆっくりでええから、
気持ち聞かせてほしい。
全部聞きたくて、今日はここに来てんやから。
『好かれてる自信、なかった』
『ヤスくんが、離れてくの…こわかった。ウザいヤツになりたくなくて、ヤスくんの気持ち…ちゃんと聞けなかった』
Aは、相手を思って、自分の気持ちにフタして、我慢する。付き合った日も、俺のこと考えて泣かへんように、必死に涙堪えてた。
ー「…泣かへんの？」ー
あんときの言葉が、フラッシュバックする。
涙を堪えて、それでも尚俺に対して『ありがとう』って、そう笑って言うAを思い出した。
『だけど、今は…っ一方的な、好きじゃなかったって、自惚れても、いい…？』
顔を上げたAは、目にいっぱい涙を溜めてて。溢れそうやけど溢れんくて。溜まった涙に光が当たってキラキラしてて、めっちゃきれい。
Aから、目が離せない。
『ヤスくんに、好きになってもらえたって、思い上がってもいい…？』
「…そう思ってくれな、俺が困る」
『〜〜〜っうれしい…』
吸い込んだ空気を、ピタッと止めて、今度はそれをゆっくり吐きながら安心したように、ふんわり笑った。笑って、ちょっと垂れた目尻を伝うように、一粒だけAの目から、涙が溢れた。
あんまりにもきれいに流れるそれに吸い寄せられて、唇で涙を掬った。
『っ…しょ、しょっぱい…？』
俺の行動に肩ビクつかせて驚いたAが、ちょっとズレたこと言うもんやから、思わず吹き出してしまった。
「ハハッ…ほんまにもう、敵わんわ」
どんどん気になって、どんどん好きになっていく。
こんな気持ちが自分の中にあるなんて、知らなかった。
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蒼乃碧(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました！そして…完結おめでとうございます！コメントを拾って下さって本当に嬉しかったです！ (2020年2月12日 21時) (
レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
おゆ(プロフ) - ゆんゆさん» ゆんゆさんコメントありがとうございます！無事完結することができました^ ^ (2020年2月12日 20時) (レス) id: c48463ca18 (このIDを非表示/違反報告)
おゆ(プロフ) - みきさん» みきさん！毎回更新の度にコメントして下さってありがとうございました！わたしも最後まで更新できてうれしいです…！！！引き継ぎどうぞよろしくお願いします^ ^ (2020年2月12日 20時) (レス) id: c48463ca18 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 完結おめでとうございます！主人公のこと大好きなヤスくんが読めて嬉しいです！今後の作品も楽しみにしています！ (2020年2月12日 7時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます！読めるだけで嬉しいです。続きも楽しみにしています！ (2020年2月3日 7時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆ | 作成日時：2019年8月4日 0時
