優しさはどこから？ ページ18
青side
病は気から。
まさにその通りで、薬飲んだってだけで幾分気が楽になったし、かなりマシになった。元々午後からは軽音の方に行かせてもらうことになってたから、午前中だけなんとか頑張ればいけそう。
「ヤス〜」
「おー！来てくれたん？ありがとぉ」
「ここ座り！」
「なんでぇ？」
「ええからええから」
他校やけど、ライブ観に来るついでに模擬店に来てくれた亮。サボりやねんけど、と思いつつ、亮の隣に座った。
「体調悪いんやって？大丈夫なん？」
「え、なんで知ってんの？」
「平気なん？」
「薬飲んだから、今は平気やで」
「そっか…あの子がな、コソッと教えてくれてん。無理しなや？」
安田くんいますか？ってたまたま声掛けたんがAで、俺のことを話したらしい。
「すんませーん！」
『はい！あ、ご注文お決まりですか？』
「あ、さっきの子やん！教えてくれてありがとうな！バナナジュース１つください」
オーダーもAが取りに来て、文化祭やし他校やってこともあって普段人見知りの亮が珍しくハイテンション。結構ガラ悪い男集団なのに、引いたりビビったりもせず、穏やかに笑いながら全員分の注文を取っていくA見て、なんかめちゃめちゃ印象が変わった。いい方に。
「安田くんは？」
「いや、俺はええよ。今シフト中やし」
『かしこまりました。じゃあチケット4枚いただきますね』
少々お待ちください、そう言って裏に引っ込んでったA。その後、違う子が運んできた飲みもんは、Aがオーダー取った分と別に、いちごみるくが追加されてた。
「え、これ頼んでへんけど」
「えー！もったいな！」
「ほんまやな〜」
「章ちゃん飲めば？」
運んできた子と一緒に戻ろうと思っていたら、亮にいちごみるくを手渡されてしまった。
「ああ！それええやん。どうせあと10分くらいで交代やろ？早めに来てくれてる子いるから人足りてるし！」
「やって！はい決まりー」
「あ、ありがと…ほなら、そうさせてもらうわ」
「ライブがんばってな！後で観に行くしな！ごゆっくり〜」
結局午前中ほぼ動いてなかったおかげで、ライブ始まる前にはほぼ全回復。自分の回復力の高さに感謝。ライブも無事終わって、自分の教室には戻らずに部活の方の片付けをしていたから、その日Aに会うことはなかった。後で言わないとと思っていたお礼の言葉は、どこかに行ってしまっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 636人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼乃碧(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました！そして…完結おめでとうございます！コメントを拾って下さって本当に嬉しかったです！ (2020年2月12日 21時) (
レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
おゆ(プロフ) - ゆんゆさん» ゆんゆさんコメントありがとうございます！無事完結することができました^ ^ (2020年2月12日 20時) (レス) id: c48463ca18 (このIDを非表示/違反報告)
おゆ(プロフ) - みきさん» みきさん！毎回更新の度にコメントして下さってありがとうございました！わたしも最後まで更新できてうれしいです…！！！引き継ぎどうぞよろしくお願いします^ ^ (2020年2月12日 20時) (レス) id: c48463ca18 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 完結おめでとうございます！主人公のこと大好きなヤスくんが読めて嬉しいです！今後の作品も楽しみにしています！ (2020年2月12日 7時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます！読めるだけで嬉しいです。続きも楽しみにしています！ (2020年2月3日 7時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おゆ | 作成日時：2019年8月4日 0時
