話しかけられない方法 ページ15
「A、講義終わったらすぐ電話して。」
『なんで？』
「こっちも色々と対応があんのよ…じゃ、また帰りね」
『わ、わかった！また後でねー！』
ギリギリまで七瀬ちゃんと一緒にいたから、教室に小走りで向かったのにエレベーターの中でチャイムが鳴ってしまった。集団講義だから、静かに後ろのドアから中に入って、空いている席に座る。
そのまま何事もなく講義は終了して、次の教室に移動するために準備しつつ、七瀬ちゃんの言いつけ通りに電話をした。
『もしもし七瀬ちゃん？』
「おつかれ〜電話ありがと」
『んーん！でも、なんで電話？』
「あれ？Aんとこにも来ると思ったんだけど」
『来る？なにが？今から教室移動するとこだよ〜』
荷物を持って教室を後にする。今日は5限目までだから、これ受けて、その次の講義で終わり。午前中サボったから、滞在時間短すぎるけど。
『七瀬ちゃんとこなんか来たの？』
「あー、来た来た。でも、Aのおかげで追っ払えたから。ありがと」
『いえいえ。誰？嫌な人いるの？』
「そんな感じ。来なかったらそれはそれでイラつくんだろうけど。来たら来たでイラつく〜」
『えぇ？七瀬ちゃんツンツン…』
教室で話すのも気が引けて、荷物だけ置いてチャイムが鳴るギリギリまで廊下に出て電話をした。
『んあ！先生来たから教室戻る！』
「5限前も電話して〜」
『おっけー！また後でね！』
バタバタと教室に戻って鞄を置いていた端っこの席に座る。その姿を、後ろから観察していた人がいたなんて気付きもしなかった。
『あれ？出ない…まだおわってないのかな？』
4限が終わったときも、同じように七瀬ちゃんに電話。だけど繋がらなくて、一旦電話を切った。
終わったら折り返しくるだろうし、教室を移動しようと肩にかけるために持ち上げた鞄を誰かに奪われた。
『お…お、くら、くん』
「……」
『ええ！？ちょっと…！』
ヤスくんのことでいっぱいすぎて、大倉くんのことすっかり忘れてた。ヤスくんと仲良しだし、きっと昨日のこと知ってるはず。現に、私のことを見下ろす目は怒りを含んでいるように見えるし、無言で鞄をひったくったままスタスタと歩き出してしまった。
同じ講義のはずだから大倉くんの行き先は分かるけど、慌てて背中を追いかける。こっちは小走りなのに、大股でズンズン歩く大倉くんに全然追いつけない。
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蒼乃碧(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました！そして…完結おめでとうございます！コメントを拾って下さって本当に嬉しかったです！ (2020年2月12日 21時) (
レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
おゆ(プロフ) - ゆんゆさん» ゆんゆさんコメントありがとうございます！無事完結することができました^ ^ (2020年2月12日 20時) (レス) id: c48463ca18 (このIDを非表示/違反報告)
おゆ(プロフ) - みきさん» みきさん！毎回更新の度にコメントして下さってありがとうございました！わたしも最後まで更新できてうれしいです…！！！引き継ぎどうぞよろしくお願いします^ ^ (2020年2月12日 20時) (レス) id: c48463ca18 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 完結おめでとうございます！主人公のこと大好きなヤスくんが読めて嬉しいです！今後の作品も楽しみにしています！ (2020年2月12日 7時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます！読めるだけで嬉しいです。続きも楽しみにしています！ (2020年2月3日 7時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆ | 作成日時：2019年8月4日 0時
