やさしさはシタゴコロ【黄】

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亮「…好きや。

好きやねん、Aのこと」




振り切っきれたような、覚悟を決めたような、亮さんらしい真っ直ぐとした目で見つめられる。射抜かれたように視線が晒せなくなった。

好き、の意味がどういうことかは、分かる。
亮さんのことは大好き。
だけどこれが、亮さんと同じ好きなのかは、
はっきり言えない。

頭の中でぐるぐる考えていると、
亮さんは先ほどの意志の強い表情から、ふにゃんと眉を下げて、不安げに唇を噛む。




亮「…なんか言うてや」


「…わ、分からなく、て…自分の気持ち、分からなくて、ごめんなさい…っ」


亮「ぉん…困らせて、ごめんな？」




ぽんぽんと頭を撫でられる。
こういうとき、なんて言ったらいいんだろう。
好きって言ってもらえたこと、嬉しかった。
じゃあ返事はどうする？って言われると、
答えは出せなくて…、だけど、今まで通りを
求めるのは、亮さんに向き合ってないみたいで
ずるい考え方だからしたくない…




亮「…フハッ」


「っへ！？」


亮「お前、どんだけ考えてんねん。顔ヤバいで？あー、おもろ！」


「だっだって…！！！」



シリアスな雰囲気から一変、口元に手を当てて、ククッと笑う亮さん。どう言ったらいいのか真剣に考えてたら、百面相していたみたい。




亮「はーっ、笑った。…クヨクヨもさせてくれんねやな、お前。」


「っうわ！////」



ニヤリと口角を上げて笑う亮さんに手を引かれ、再び腕の中に閉じ込められた。こ、この流れでなんで！？ついさっきまでそんな勢いなかったのに…！！！




亮「これ、どきどきする？」


「し、しますっ///」



亮「お前には、はっきり言わんと伝わらんし、分かりやすくせんと、理解してくれへんから…

俺も、同じようにどきどきしとるってこと、分かれ」




自分のことに精一杯で気づかなかったけど、言われるがまま、押し付けられてる亮さんの胸に耳を当て意識を向けると、私と同じくらいの速さで、どきどきしていた。鼓動が耳から伝わってきて、わたしにも伝染する。

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