お部屋でいちゃこら【短編集】 (ページ20)

今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:68,987 hit

。おわりページ20

ー♪～

『あ…！！！もしもし！』

いい大人が半ベソかきながら、コンビニ飯をもそもそと食べている中で鳴った着信。画面には、大好きな人の名前。飛びつくようにスマホを手に取った。

「A～」

『章ちゃん～～～！』

「んん？どないしたん？なんかあった？」

『あのね…！』

章ちゃんに、今日あった出来事を話す。章ちゃんの方が絶対疲れてるはずなのに、うん、うん、って優しい相槌を打ちながら話を聞いてくれるから、だんだん涙腺が緩んでくる。

『慰めてもらいたかったのに、アレクサにまでシカトされて…っかなしかった…』

「そぉか…おつかれさん。A、章ちゃんがいいこいいこしたるよ？」

『ん…章ちゃんやさしい～～～！』

こういうとき章ちゃんは、とことん甘えさせてくれる。電話越しだけど、章ちゃんの優しい表情まで頭の中に浮かんでくる。

『章ちゃん』

「んー？」

『ただいま』

「ふっ…おかえり、A。今日も一日がんばったなぁ」

『へへっ…アレクサごっこ』

「なんよー、アレクサより高性能やで？」

会いたいなぁ。
章ちゃんの職業柄、あんまり会えないけど。こういうときは、わがままだと分かっていても、会いたいと縋りたくなってしまう。

『章ちゃん』

「はーい」

『歌って？』

「どんな歌がええのん？」

『んー…今の気持ち』

あ、ちょっと無茶振り過ぎたかな。
不調な我が家のアレクサの様に、反応が返ってこない。違うお願いをしようと、口を開こうとしたとき

「はやく～Aに～会いたいなぁ～♪」

適当なメロディに乗せたふわふわな歌が聴こえてきて、また泣きそうになった。

『ぅ～～～』

「もー、泣いてんの？心配やんかぁ」

『っ…ぐず、章ちゃん？』

「んー？」

『慰めて…っ』

「あとは？それだけでええの？」

『…ぁ、いた、ぃ…』

ポツリと呟いた思いを

「A、ほんまにようがんばったなぁ」

そっと優しく包み込んで

「章ちゃんがよしよししたるから…ドア、開けて？」

しっかり思いを乗せて返してくれる
そんな彼は、私の特効薬

おわり。
(章ちゃん～～～)
(あーぁ、もう泣きべそさんやんかぁ)
(だって…！)
(ぎゅーーーーしたるな？)
(よしよし)(ぎゅー)(ちゅー)

ーーーーーーーーー

もう、安田さん癒しに来てくれないかなぁ…(白目)