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「思い出しました?」
真っ赤になって、シーツで体隠して、俯いたまんまなーんも言わないAさん。この感じやと、ちゃんと思い出したみたいやな。
店出たら、スイッチ入ったみたいに甘えてきて、Aさんの方から口説いてきた。もちろん、俺としてはラッキーな展開やし、このチャンス逃す理由もなくて、そんままホテルへ。
「…なあ、酔ってたから誘ってくれたん?」
『っ///さ、誘ってなんか…///』
ベッドの端っこで小さくなってるAさんの方に四つん這いで近づいて、下から顔を覗き込む。あ、俺はちゃんと下履いとるで?上は裸やけど。
「えー…えっちしよ?って、Aさんが言うたやん」
『なっ…!!!!///』
眼鏡かけてへんから、俺の顔ボヤけとるんかな。
ぐーっと顔を近づけると、距離を取ろうとする。ま、後ろ壁やから無駄なんやけど。
鼻がくっつきそうなくらい近くでAさんを見つめる。俺のことまともに見れんみたいで、力いっぱいギュって目瞑っとる。あー、キスしたい。
「ちゅーして?って
キモチイイって、
もっと、って、言うてたやん」
耳元で囁いただけで、肩震わせて、キュって唇噛んで、目うるうるさせて羞恥心に耐えるAさん見て、めーーーっちゃゾクゾクする。あれや、好きな子は虐めたなる男の本能ってやつ。
昨日はあんだけ自分から求めるだけ求めてきて、事情後は照れとか恥ずかしがりもせんまま豪快に寝とったくせに、目が覚めたら急に乙女になってるし。
正直、ワンナイトでもええかな。
なんて気持でおったけど、結構ヤラれとるわ。
『ご、ごめんなさい…っ記憶が、曖昧で、わっわたし…///』
「そっかぁ…曖昧、なんや?」
3回もしたのにーってわざとらしく言ってみると、驚きのあまり固まってしまった。笑 ほんまのことやし。嘘ついてへんし。
ベッドサイドに置いていた眼鏡を取って、Aさんにつけてあげる。俺の顔がクリアに見えるようになったからか、固まってたんに、わたわた慌て出した。逃げられへんように、そんままほっぺた両手で包み込んで、俺の方を向かせる。
「…曖昧なままじゃ、あかんやん」
『っ…おおくら、くん…///』
「ぜぇーんぶ思い出せるように、俺が責任持って、教えたるな?」
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作者名:おゆ | 作成日時:2019年6月6日 1時