たらりーん ページ29
大「Aちゃん!!!」
玉「きゃ!!!」
まぁまぁの勢いで迫ってきたボール。
反射的に、おでこで抑えるようにして受け止めた。
「いっっっ…たぁ…!!!!」
かすみ「っ!はぁ!?」
ボールが当たった痛みで怯むのを予想してたんだろうけど、不意打ちにもおでこで受け止める衝撃にも慣れてる…理由は察して欲しい。
わたしを心配して動けないチームメイトと、ボールを受け止めたことに驚く相手と、笛を吹こうとして動きを止めている審判。
1人動ける私は、かすみセンパイの隣をすり抜けてスリーポイントラインからシュートを決めた。
「いえーーーい!」
『Aっちょ、ばか!』
「え?」
『血!出てる!!!』
シュートを決めてハイタッチを求めに行けば、指を差されて指摘される。パッと鼻を抑えて手のひらを見ると、手には血がついていた。
「あ、鼻血」
『あ、じゃない!もー…』
「玉ちゃんティッシュちょうだい〜」
一度はけて、代わりの子がコートに入る。
普通の試合と違って前半後半しかない変則ルールだから、もうすぐで前半が終わるくらい。鼻栓詰めたら戻ろう。
玉「Aちゃん大丈夫?痛くないの?」
「いやー、めっちゃ痛かった」
玉「おでこも鼻も赤くなってるよ?冷やしたほうがいいって」
「このくらい大丈夫!あと少しで前半終わるし」
玉「せめてしっかり血が止まってから」
「鼻栓しとけばいける!」
幸い血はぼたぼた垂れるほど出たわけじゃないから、自分のシャツがちょっと汚れたくらい。鼻栓しとけばそのうち止まるし、今はとにかく試合に戻りたかった。正直、顔面に当てられてイラッとしたし。
コートに戻ろうと立ち上がれば、目の前に大きな影がかかった。
「…忠義くん?」
大「あかんよ」
「……あかんくないし」
大「いけません!試合の前に保健室!」
「大したことないもん!いかんでええもん!」
大「先に行かんとあかんって」
「いやだ!はよ戻りたい!」
大「まだ血止まってへんやろ!」
「止まったしー!ほら!」
鼻栓を抜いてじっと動かずに止まる。鼻に注目する忠義くんと、言い合いを見守るクラスメイト。
時間差で、たらりーんと垂れてきた鼻血。
大「血ぃいいい!」
「くそ!早かった!!!」
大「ややややっぱりだめや!あかん!」
血に若干ビビる忠義くんに阻止され続け、そのまま前半がおわってしまった。
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春(プロフ) - 初めてのコメント失礼します。これからも「ヤンキーくんと元やんちゃん」を読ませて頂きたいので、のんびり少しずつ更新して頂けると嬉しいです。御多忙との事ですが、どうか御無理せず、お体に気を付けてください。応援しています。 (2021年3月28日 21時) (レス) id: 0f0f6f6b4e (このIDを非表示/違反報告)
おゆ(プロフ) - ∞ヤンマーEIGHTER∞さん» こちらにもコメントありがとうございます( *;∀;) ご期待に副えるように尽力します! (2019年8月29日 23時) (レス) id: 2aceb7dd30 (このIDを非表示/違反報告)
∞ヤンマーEIGHTER∞(プロフ) - 移行おめでとうございます!!これからも、ヤンキーなメンバーが見れて嬉しいです!頑張ってください!!!応援してます!! (2019年8月28日 17時) (レス) id: 54e9c54bda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おゆ | 作成日時:2019年8月28日 17時