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30歳目前。周りを見ると、やっぱり 結婚 という文字がチラつく。彼氏の存在は周りも知っているから、今日のお客さんみたいに、誕生日にプロポーズ？なんて、会う人会う人に言われた。
『え？今年の誕生日、カットしに来ないの？』
大「ごめんなぁ。ほら、Aの店紹介してくれたスタイリストさんおるやろ？たまには私のところに来いって言われてさー」
『…先輩に切ってもらうってこと？わざわざ？誕生日に？』
大「…そんな言い方せんでや。しょうがないやん、都合つくとかそこしかなかったんやから。あ、でも夜はAんとこ行くつもりやで？」
『夜？先輩のところはお昼行くってこと？その日オフなの？そんな話、してくれなかったじゃん！』
大「A、誕生日の日は常連のお客さんが予約入れてくれる言うてたやん。俺やって気遣って…！」
大「やから、ごめんって」
『〜っもういい！！！忠義のばか！！！』
売り言葉に買い言葉。
いつもはどちらかが先に折れたら、お互い冷静になって話せるのに、今回は上手くいかなかった。なかなか会えず、電話も久しぶりだったのに、そんな話をされるなんて思ってもみなくて、電話を切った後は、いろんな感情が込み上げた。
誕生日を一日中一緒に過ごすなんて、もちろん今まで一度もしたことがない。できることなら、家の中でもいいからやってみたい。ダラダラして、お昼からお酒呑んで、用意しておいたケーキを食べて。そんな誕生日も、忠義と一緒だったら過ごしたい。でも忠義は、恋人と過ごす時間よりも、仕事の付き合いを選んだ。
自分はいつから、こんなに欲張りになってしまったんだろう。
お店に来てくれるだけで嬉しかったのに
たくさんお話ししてくれるだけで嬉しかったのに
電話で声聞けるだけで嬉しかったのに
忙しい中、会える時間を作ってくれるだけで嬉しかったのに
ありがとうって言ってくれるだけで嬉しかったのに
自分のお店に来て欲しい
忠義のことを一番理解していたい
もっと電話したい、もっと会いたい
忠義のくれる ありがとう が当たり前になってた？
鳴り続ける忠義からの着信を無視して、たくさん泣いた
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おゆ(プロフ) - ハニーレモンさん» ハニーレモンさんはじめまして！ 他のメンバーさんのお話も書けたら、更新したいと思います！ コメントありがとうございました！(^^) (2019年5月23日 23時) (
レス) id: 8d8c895fb1 (このIDを非表示/違反報告)
ハニーレモン - はじめまして。最初から読みました。最後は仲直りできてよかったです。他のメンバーの誕生日のお話も読みたいです。 (2019年5月22日 0時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆ | 作成日時：2019年5月16日 23時
