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星が見渡せる
少し拓けた場所を見つけ
そこに腰掛けた。
仰ぐと満天の星空。
『圭人と見たかったなぁ…』
思わず口から零れていた。
「俺も、
光くんと一緒に見たかったんだ…。」
背後から声がして
振り向くと、
そこには圭人の姿があった。
『…け、い…と…』
いつも圭人はずるい。
俺の気持ちを先回りして
包んでくれる。
いつだって、
泣き虫な俺になってしまう。
「泣かないで?光くん。
どんな光くんも好きだけど、
俺はいつでも
光くんを笑顔にしたいんだ。」
そう言うと、
後ろから両腕で俺を包みこみ
ギュッと優しく抱きしめてくれた。
『…でもッ!
圭人…行っちゃうじゃん!
俺…、圭人いない間
笑顔でずっといられるか自信ないよッ!』
この星空が、自然が、
臆病な俺を後押しする。
俺が言いたくても言えなかった気持ち…。
『おれ、…圭人の決断を応援したいし、
気持ちも分かる。
グループのメンバーとして、先輩としては
皆と気持ちは同じだよ?
で、でもッ!…恋人としては
やっぱり……
淋しいよぅ…けいとぉ…。』
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作者名:伊野山ヒカルコ | 作成日時:2018年8月14日 16時