. Side奥 ページ42
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しばらくして落ち着いたのかAは
『奥ちゃん。聞いて欲しいねんけど。』 と言って、
なに。と聞き返せば、ゆっくりと喋り出す。
『私ね。
こうやって奥ちゃんと話すの好きやねん。
全然頭に入らない政治の話でも。』
珍しく素直やな。なんて思っていると
『あと、奥ちゃんといる自分も好きやし___』
_なにそれ、冗談でも心臓に悪い。
Aが話しかけたまま、沈黙が続く。
いや、続きは?と思いAを見ると、
泣き疲れたか、スヤスヤと眠りについている。
__寝るんかい。
自由な姿も好きの要素に含まれるわけで。
Aをベットに運び、布団をかける。
「俺はAといる俺は好きやけどな。」
寝てるのを良いことに。
遠回しに告白をする。
ええ年のくせに。冷静に考えると恥ずかしくて。
家に帰ろうにも、流石にひとりにはさせられない。
何度も家に来てるから、勝手はわかってる。
部屋のクローゼットから毛布とソファーを借り、
泊ることにしよう。
明日はお互い昼からなはず。
一応村上には知らせておこう。
アイツのことやから、
相方に言わないのも 可能性としてゼロではない。
…__ってことでA借りとくわ。
とLINEを送り、
部屋の電気を消せば自然と重くなる瞼。
誕生日やもん。これくらいええよな。
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作者名：グラニュー糖 | 作成日時：2021年1月2日 0時
