朝ごはんの匂いは、 (ページ31)

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.side奥ページ31

＜奥田side＞

最初、『失恋した』って言われたとき

どこかホッとした自分がいた事に気づいた。

___まじかぁ。

デビューしてすぐの頃、

俺らはNSCに通ってなかったから、

正直、所謂同期の輪に馴染めなかった。

それに気づいたAが奥ちゃんって

話しかけてくれたり、

飯誘ってくれたりしたおかげで

同期の輪に入れるようになって。

気づけばAと一緒におることが多くなった。

芸人として、人としても尊敬できる人柄で。

一緒におれば好きになるのも時間の問題やった。

でも、この関係が心地よくて。壊すのが嫌で。

いや、怖くて。

Aの近くに居たくて。

気持ちに気づかんようにしていた。

人間って不思議なもので、

嘘をつき続けるとホンマになる。

今日のことがきっかけで、

忘れていたんじゃなくて、

気づかないようにしていただけで。

___Aのことを好きやねんや。

って

まじか。今更どうしたらええねん。