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「A?」


名前を呼ばれてハッとして振り返った。


「・・・・翔平」
「ボーッとしてたけど、大丈夫?」


練習終わりの翔平がバックを床にドサッと置いて、心配そうな目でわたしを見つめる。さっきの写真のことが頭によぎって不安になる。たまらず翔平に抱きつけば戸惑った様子でわたしの頭をぎこちない優しい手つきで撫でた。
「どうかした?」なんて言われれば、泣くつもりなんてなかったのに涙が溢れる。
わたしってこんなに弱かった?そう思いたくなるほど自分が弱くて情けない。これはマタハイのせいだなんて決めつけて自分を落ち着かせるも、翔平の前ではそれが自制できない。


「翔平、あのね。」


翔平に、さきの出来事を告げた。
わたしの話すことを聞くたび翔平の眉が大きく歪んだ。顔つきも強ばって唇をきつく結んだ。
この顔はきっと、怒っているんだろうか。


「なんだよ、それ」
「確信はない、でももしかしたらそうなのかなって..」
「...体調は?」
「え?あぁ、うん。身体は特になんとも」
「そっか...」

大きな手がわたしのお腹を優しくさする。

「俺はもうなに言われようが慣れっこだけど、Aになにかあったら俺は気が気じゃないよ」
「わたしだって、いい加減慣れないとだめよね。大谷翔平の奥さんなんだもん。慣れっこにならないと」
「ダメだろ!」
「それくらいの覚悟はあるよ!
でも...正直、この画像は社内の人間じゃないと撮れない角度だと思うから、もしかたらと思うと結構メンタルは削られるけど、でも今はお腹の子最優先に考えないとね」
「...守るから」


そう、今はなによりこの子を無事に産むことを考えないといけない。

そっと2人で身を寄せ合えば、自然と翔平の唇がふってきた。瞼、頬、そして唇へとおりてくる。
大きな手がしっかりとわたしの身体を寄せて離さない。



「当分、エゴサ禁止だからな」
「...はぁい」



納得してない生返事に、翔平がふっと笑えばまたわたしの唇に吸いついてきた。今度はさっきよりも少し深く、少し執拗に。

久しぶりの少し甘い雰囲気だな、と呑気に考えてキスをするわたしをよそに、この時の翔平の目が異常に怖いことにわたしは気付いてなかった。忘れていた。翔平は、普段はとても穏やかだし頭の中では冷静だが、冷静ゆえに怒ったら怖いことをーー・・・





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黄色ジャス民(プロフ) - 不審な白髪頭の男性が一刻も早く法的措置され無事ベビーちゃんが産まれて来て欲しいです (12月25日 20時) (レス) id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - 白髪な謎の男性…。何がしたいんでしょうか😱 夢主ちゃん達に被害ありませんように🙏 (12月24日 21時) (レス) id: 89596a4d56 (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民(プロフ) - 白髪頭の男性も出てこないで。2人の邪魔をしない欲しい。 (12月24日 20時) (レス) id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
夢宵桜(プロフ) - オ.リ.フ.ラついたままになってるので、タグ設定下のチェック欄からご対応いただけると幸いです。 (12月22日 22時) (レス) id: c96fd0b24c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:gpneibybz | 作成日時:2023年12月22日 10時

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