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35 人生 ページ39

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「晴れやかなのが憎らしい..」


ほんとうだったら待ちに待った日なのに、翔平に打ち明けないとと思うと気が重い。

あの夜から妊娠が分かってもう何も考えたくないと思ってどう話せばいいか分からず、連絡を断つことも考えた。
でもそれをしても事態はどうになるわけじゃない。妊娠のことを文面で伝えていい内容わけじゃないから、結局 会って真面目な話があると意味深なメッセージを送ってしまった。


普段なら移動手段でタクシーは使わないけど、いかんせんこの暑さ。

お腹にも赤ちゃんがいるから。なんてそんな母親みたいなことを考えてるわたしは、一体なにがしたいんだろう。もしかしたら最悪の決断をせまられるかもしれないというのに...

今はとにかく翔平に会って話さないと。





ーーーーーーーーーーーーー




「ここか..」


部屋番号を見つめ立ち止まる。



事前にフロントには伝えてあると連絡を貰っていたので、なんなくカードキーを受け取った。だけど、もし最悪な結果になってしまった場合、翔平と会うのはこれで最後になるかもしれない。そんな考えが脳裏に浮かんでカードキーを押せずにいた。


ガチャ


扉が開いて中から腕が伸びてきた手に引き込まれる。

ばたんと閉まる扉。
扉を背に翔平に抱きしめられる。
これじゃあまるで、あの時みたいだーーー。





「別れ話なら、聞きたくない」


なんて弱々しい声なんだろ。


「翔平...」


こんな翔平を、わたしは知らなかった。


「悪いとこがあったならなおす。不満があるなら受けとめるから、」
「あのね、翔平」
「だから!...別れたいなんていうな」

わたしを見つめる目をふせ祈るように呟いた。

「中を見て」
「これは、」
「いいから、みて」

抱きしめる腕を解いて、鞄から出した封を渡した。
少しくしゃくしゃになってしまったけど、中身をみればこれがエコー写真だと誰が見ても分かる。

おそるおそる封の中身をあけた翔平。彼の大きな目が見開いて「これ...」と今にも消え入りそうな声で写真をわたしに向けた。



「ここに、いるの。わたしたちの赤ちゃんが...」







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黄色ジャス民(プロフ) - 本当に最高なお話です。めっちゃ大好きです。まだお話は続くと思うけど出来ることなら続編も読みたいです。 (12月21日 16時) (レス) @page47 id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民(プロフ) - どうか別れないでハッピーエンドでお話が終わりますように。 (12月20日 22時) (レス) id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
arulongchuan(プロフ) - 最高です…! (12月16日 18時) (レス) id: 1fa20d15c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:gpneibybz | 作成日時:2023年12月15日 13時

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