28 先輩の助言(o side) ページ32
「え、帰っちゃたのAちゃん？！」
「はい。帰っていきましたよ」
朝からの練習を終えて昼。一平さんも今日までは俺にほぼ付きっきりでいるため、そのままの流れで自然に一緒に昼食を摂っている。
幸い、この一室には俺と一平さんの2人しかいないせいか一平の声がデカい。元から声はデカい人だけど口に含んでいたチャーハンの米粒を飛ばしてきた。きたなっ。
「翔平に気を遣ったんだろーな。いくら恋人になったとはいえ翔平はプロの野球選手だからな」
「べつに部屋にいるくらい、気を遣わなくても、、」
「それが大人ってもんだろ。一緒にいたい気持ちだけじゃ、やっていけないんだよ。むこうは、お前と付き合うことがどういうことか分かってるから帰ったんだよ」
「つまり、なんですか」
「Aちゃんの方が、大谷翔平と付き合うってどういうことか理解してるってことだよ」
「ーーなんでいっぺーさんのほうがAちゃんのこと知ったような口するんですか。」
「恋愛、結婚に関しては翔平よりは先輩だ」
Aちゃんは俺の恋人なのに、まるでお前はなにも分かってないと指摘された。ガツガツとチャーハンを口にかきこみペットボトルの水をごくっと飲むと、人差し指をびしっと俺に向けて一平さんは「よく聞け」と言った。
「心でも物理的でもどっちでもいいが、人ってのはある程度の距離が必要だ。どちらか片方だけが距離を詰めれば、いずれもう片方が苦しくなる。
現に日ハム時代、それで失敗しただろ」
図星をつかれた。
もうよく思い出せないが、日ハム時代に一瞬だけ彼女がいた時期があった。会いたい会いたい、という人だった。はじめはよかったが、どうしても忙しい時期は時間がとれなく衝突することがあって、徐々に喧嘩が多くなり、結局その人ともうまくいかなく別れた。もう随分前のことだ。
「前より歳もとって、今は世界にもいってる。まだまだ恋愛に関しては子どもだ、だが少しは成長したはずだ。
つまり俺が言いたいのは、別れたくなきゃお互いを尊重しろってことだ。
いくら相手がお前の仕事を理解してても、ケアしてあげなきゃただのエゴだ」
「・・そうですよね。
俺、ほんとまだまだガキだな」
「それに比べてAちゃんは大人だな」
一平さんのいうとおりだ。なんの反論もできない。
「すごいですね、大人って・・」
「まあな。」
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黄色ジャス民(プロフ) - 本当に最高なお話です。めっちゃ大好きです。まだお話は続くと思うけど出来ることなら続編も読みたいです。 (12月21日 16時) (
レス) @page47 id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民(プロフ) - どうか別れないでハッピーエンドでお話が終わりますように。 (12月20日 22時) (レス) id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
arulongchuan(プロフ) - 最高です…！ (12月16日 18時) (レス) id: 1fa20d15c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gpneibybz | 作成日時：2023年12月15日 13時
