27 3 (その後) ページ31
軽快なアラーム音が小さく響く。わたしはふかふかのベッドの上で目が覚めた。まだ完璧に開いてくれない目をうっすらとあけると、飛び込んできたのはまだ眠る翔平くんのあどけない寝顔。
顔がベッドに擦れて跡がついてる。かわいいな。頬をそっと撫でると微かに顔が歪む。
昨日わたしはそのままの意味のとおり、この人のものになった。大きな身体に相応しいものだった。うん、これは下ネタじゃないがほんとうにそうだった。歴代と比較してしまうのは最低かもしれないけど、翔平くんは歴代でも1番だ。これはしかたない。
優しかった。ひとつひとつの行為が愛されていると感じさせてくれるものだった。キスをするときも、苦しくないように控えめに覆いかぶさってくる身体も、余裕なくてごめんと耳元で囁く声も、すべて覚えてる。
「起きてるでしょ」
「・・バレてたか。ごめん、おはよう」
腰に回っていた腕にぐいっと引き寄せられ、翔平くんに抱きしめられる。
「おはよ。練習、あるんでしょ？そろそろ行かなきゃ遅刻しちゃうよ」
「うん。ーーでもあと少しだけ」
あと五分ね。なんて言って目を閉じる。ほんとは練習なんてなきゃいいのにって心で呟くけど、それは内緒ね。
ーーーーーーーーーーーーーー
「じゃあ、行ってくるね」
「うん。またね」
「ほんとに帰るの？練習終わったらまた戻ってくるからここに居ていいのに・・」
「帰って色々しなくちゃいけないから。そんな顔しないで？また来るから、ね？」
練習に行ってくると帽子を被る翔平くん。彼はまたすぐ帰ってくるから居ていいのにというが、そういうわけにはいかない。ちょっと不服そうに唇をとんがらせ、名残惜しそうにしてる。もうこのやりとりをかれこれ2回繰り返してる。
寂しいの？と聞けば黙ってコクコクと首を縦に振った。
大きな子どもがいるみたいで、かわいい。
「わたしもさみしいよ」
「絶対また、連絡する」
「うん。待ってる。いってらっしゃい」
今度こそ、部屋を出て行く翔平くん。ちらりと最後振り返るので小さく手を振った。ぱたんと扉が閉じると部屋がシンッーーと静まり返る。部屋中に翔平くんの匂いがするのに彼のいないこの部屋は、広くて大きくて、ひとりでいると寂しさが込み上げてきてしまいそう。
ーーさて、わたしもそろそろ帰らないと。
彼のオフまであと1週間。まだまだ先は長いな。
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黄色ジャス民(プロフ) - 本当に最高なお話です。めっちゃ大好きです。まだお話は続くと思うけど出来ることなら続編も読みたいです。 (12月21日 16時) (
レス) @page47 id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民(プロフ) - どうか別れないでハッピーエンドでお話が終わりますように。 (12月20日 22時) (レス) id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
arulongchuan(プロフ) - 最高です…！ (12月16日 18時) (レス) id: 1fa20d15c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gpneibybz | 作成日時：2023年12月15日 13時
