25 2人の課題 ページ29
「これは翔平だけじゃなくて、Aちゃんにとっても大事な話だ」
水原さんから突如はなたれた内容に、おもわず肩に力が入る。
「翔平、Aちゃんのこと真剣なんだよな」
「そのつもり、ですけど・・」
「つもり、じゃなくてどっちなんだ」
「ーー真剣です。真剣に先のことまで考えて告白しました」
「よし、ならいい」
翔平くんのその言葉に目を見開く。この人の性格からしてなんとなくではないとは思う、とは思っていたけどこう言葉に表せられると恥ずかしいけど、うれしいものなんだな。水原さんは翔平くんの言葉を聞くと、潜めていた眉の緊張がすっとほぐれた。
「男にとっての29なんてまだまだ青二才だけど、女性にとって年齢はそう軽いものじゃないからな。翔平の口からそれが聞けてホッとしたよ。ま！お前のことだから軽い気持ちだとは思ってなかったがな！念のためだ！」
「水原さん・・」
「Aちゃん。翔平、この業界に入ってずっと野球一本でやってきたから、女心とか女性への気遣いとか疎いところがある。でもいいやつだから、どうか翔平を、よろしくおねがいします」
「そんな頭あげてください！」
どうかこのとおり、と両膝に手をつきわたしに頭を下げた水原さん。
「いっぺーさんにいわれたくないですけど、でもAちゃん。俺 真剣に考えての告白だから、だから俺からもよろしくおねがいします」
「翔平くんまで・・わたしこそだよ。正直、翔平くんの業界のことなんて知らないことだらけでどういうものかも分からないけど、負担になるようなことはわたししたくない」
「なーに！大丈夫だよ2人とも！！
そこまで心配しなくてもなるようになるって！」
いや、あんたが持ちかけた話だろ。と翔平くんとわたしはなぜかこの話をしだした張本人をじとっと睨んだ。
水原さんが言い出しっぺなのになんでこんなあっけらかんとしてるのよ。
「もし仮に熱愛報道とか出たらもう結婚してしまえ！」
「結婚って早くないですか？！」
「でもこういうのはいきおいだぞ？あとは気持ち」
「Aちゃんのこと振り回すのやめてくださいよ、いっぺーさん」
「俺は至ってまじだぞ翔平。
実際に熱愛とか出たら世間はうるさいぞ。幸いAちゃんは一般人扱いになるからそこまで世に情報は出ないが、少なからずお前が日本にいない間はバレた時点で名前ちゃんにプライベートなんてないようなものになるしな」
「そうですよね・・」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 641人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黄色ジャス民(プロフ) - 本当に最高なお話です。めっちゃ大好きです。まだお話は続くと思うけど出来ることなら続編も読みたいです。 (12月21日 16時) (
レス) @page47 id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民(プロフ) - どうか別れないでハッピーエンドでお話が終わりますように。 (12月20日 22時) (レス) id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
arulongchuan(プロフ) - 最高です…！ (12月16日 18時) (レス) id: 1fa20d15c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：gpneibybz | 作成日時：2023年12月15日 13時
