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数分前から、彼氏と彼女の関係になり今は狭いソファでなぜか身を寄せあい密着している。Aちゃんの髪から漂う甘い香り。俺の膝の上に横向きで座り、頬を胸板に寄せてぎゅっと脇腹を触る力が少し強まった。
「前々から思っていたけど、翔平くんって大きいよね。身長とか手とかさ」
「まぁ190ちょいはあるからね」
「わたし平均な方だから、こんなに高い人羨ましい」
「スポーツ以外でデカくてもいいことないよ?スーツ作るのなんて既製品じゃ絶対合わなかったりするし、太ももとかもデカいから大変だよ」
「そっか、翔平くんの身体だと服に困ること多いよね」
「すげー困るよ」
「でも1個いい点あるよ。わたしのこと、守れるじゃん」
下から悪戯する子どもみたいな笑顔で見あげるAちゃん。「何かあったら守ってね」といって細い身体でぎゅっと再び抱きつく腕に力がこもった。なにがあっても守るつもりだよ。野球以外ではじめて大切にしたいと思える存在に出会えたんだ。なにがあっても離したくない。
Aちゃんの小さな頭を引き寄せて、こめかみに軽く口を寄せる。少しキリッとした大きな目が俺を見上げる。
輪郭に指が這い、ぐっとAちゃんの顔、太ももの間に腕をいれて身体ごと引き上げる。
唇が、柔らかい。さっきしたよりも深く、長く。角度をかえる俺に応えようと一生懸命返すAちゃんがなによりも愛しい。
ドンドンドン 「おーい!!!」
「この声は、」
「水原さんだね・・・」
あとで絶対文句いってやる。
「もしかしてタイミング悪かったか?」
ははは、悪かったなー。って笑いながら部屋に入ってくる一平さん。絶対思ってないだろ、と内心悪態をついた。
俺たちと向かい合うようにして正面のソファに一平はどっかひと腰かけた。
「めちゃくちゃな」
「そう言うなよ翔平〜。まだ日本にはいれるし、滞在中にオフもあるから、な?そうむくれるなよ」
「邪魔されればむかつきますよ」
「あ、やっぱなんかしてた?」
「してました」
「し、翔平くん!!!!」
Aちゃんが顔を真っ赤にして「なにいってるの!」と俺に小声で呟いた。
「で、2人は付き合いはじめた、ってことでいいよな?」
「そうですけど・・」
「だよな。じゃあここから真剣な話な」
一平さんの顔つきが変わった。なごやかだった雰囲気が少しはりつめた。一体、なにを話すんだ一平さん。
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黄色ジャス民(プロフ) - 本当に最高なお話です。めっちゃ大好きです。まだお話は続くと思うけど出来ることなら続編も読みたいです。 (12月21日 16時) (レス) @page47 id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民(プロフ) - どうか別れないでハッピーエンドでお話が終わりますように。 (12月20日 22時) (レス) id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
arulongchuan(プロフ) - 最高です…! (12月16日 18時) (レス) id: 1fa20d15c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:gpneibybz | 作成日時:2023年12月15日 13時