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翔平くんの手があつい。


「翔平くん?」

名前を呼んだ瞬間だった。握られていた手は彼によって引かれ、わたしは翔平くんの胸に収まった。――抱きしめられている。

「初めてなんだ、強く会いたいと思ったのは。
野球以外のことで頭がいっぱいになるのも、帰国することが決まってまだかとカレンダーを何回も確認するのも。
全部、Aちゃんが初めてなんだよ」


わたしを抱きしめる腕が強くなる。背中に回った手が、痛いほどわたしの身体を締める。肩に顔をうずめる翔平くんの顔、背中を包む手、身体。すべてがあつい。

会いたいと、不安になっていた。翔平くんはまめに連絡をくれる人だ。でもこれは夢なんじゃないかと思うときがあった。過去にアナウンサーと映る翔平くんの動画を見てしまった。とてもきれいな人だった。翔平くんの周りにはきれいな人がいるのに、その中でわたしが選ばれるなんて思えなくて、自信がなくて、怖くて不安で、たまらなかった。

もしかしたらもう連絡がこなくなるのかもしれない。そんな日がきてもいいように自分の中でストッパーをかけていた。そうでもしないとバラバラに壊れてしまいそうだったから。だから帰国の連絡をもらったときうれしかった。
あぁ、夢じゃないって、思えたからーー。


「ね」
「ん?」
「これから、大丈夫じゃなかったら、大丈夫じゃないって、言っても、いい?寂しいときや嬉しいとき、これからもっともっと、翔平くんに言っても、いい?」


声が震えて翔平くんの顔がみれない。


「Aちゃん・・」



名前を呼ばれて、翔平くんの手がわたしの顔をもちあげた。翔平くんの目とぶつかる。



「好きだよ」




二つの影が重なった。ひとつはわたし、そしてもうひとつは翔平くん。

ずっと、こうなればいいと願ってた。でもこわくて不安だったから、前に進めなかったけど、今日はじめてやっと前に進むことができた。





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黄色ジャス民(プロフ) - 本当に最高なお話です。めっちゃ大好きです。まだお話は続くと思うけど出来ることなら続編も読みたいです。 (12月21日 16時) (レス) @page47 id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民(プロフ) - どうか別れないでハッピーエンドでお話が終わりますように。 (12月20日 22時) (レス) id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
arulongchuan(プロフ) - 最高です…! (12月16日 18時) (レス) id: 1fa20d15c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:gpneibybz | 作成日時:2023年12月15日 13時

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