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案内されたのは部屋の中央にあるソファ。
部屋も翔平くんひとりが泊まるには広すぎる大きさだ。身体が大きい人にはこれぐらい必要なのかな。でもそれにしてはやけに広い。ソファだってフカフカしてるしここスイートな気がする。
「元気だった？」
向かいのソファに腰をかけながら翔平くんはわたしの方に身体を寄せる。優しく問いかけるその声も久々にちゃんと聞いたな。
「元気だったよ。翔平くんから向こうの様子色々と聞いてはいたけど、テレビとかでも見てたよ。翔平くんこそ、元気そうでよかった」
「 ・・テレビ、見てくれてたんだ」
「・・うん。」
前は見なかったスポーツニュースを見るようになった。
翔平くん出ないかなと思ってつけてるが、いざその名前をテレビで聞くたび、姿を見るたびにわたしは翔平くんに会いたいと思うようになった。
「・・・水原さんが言ってた。翔平くんの口からわたしの名前聞かなかった日はなかったって」
「あの人・・」
なんで言うんだよと片手で顔を覆った。
「でもうれしかった」
「・・」
「会えないときでも考えてくれてたってことだよね。翔平くんは、今こうして会えたことどう思ってる・・？」
不安だった。テレビの中の人、そう思ったことはなかったのに、テレビに映る翔平くんをみるたびにあの夜の出来事は夢だったんじゃないかとそう思わせる。
向かいのソファから立ち上がると翔平くんはわたしの座るソファの左側に立ち、カーペットに片膝をつきかがんだ。何してるのと問いかけようにも、翔平くんの見つめる目があまりに真っ直ぐでなにも、言えなかった。
「Aちゃん」
「はい・・」
ソファの肘掛に置いていたわたしの手に、翔平くんの大きな手が重なった。
「聞いてほしいんだ。俺は野球に全てをかけてる。人生全てといっても過言じゃない」
・・知ってるよ。翔平くんのこと知ろうと、浅はかだけど調べたよ。ドラフトで入団して色々な経験したんだよね。わたしにはよくこの業界の仕組みを知らないけど、世界にいく翔平くんがすごいことくらい、無知なわたしでも分かる。
「今までも、これからもそうだと思ってる。
がむしゃらに頑張ってきてこれからもまだまだ頑張っていかなくちゃいけない。まだまだ俺は挑戦し続けていきたい」
「翔平くんにとって野球は人生のすべてなんだね」
「うん。野球しかしてこなかったしね。
ほんとに俺の人生のすべてってそう思ってたんだ」
翔平くんの手が、あつい。
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黄色ジャス民(プロフ) - 本当に最高なお話です。めっちゃ大好きです。まだお話は続くと思うけど出来ることなら続編も読みたいです。 (12月21日 16時) (
レス) @page47 id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民(プロフ) - どうか別れないでハッピーエンドでお話が終わりますように。 (12月20日 22時) (レス) id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
arulongchuan(プロフ) - 最高です…！ (12月16日 18時) (レス) id: 1fa20d15c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gpneibybz | 作成日時：2023年12月15日 13時
