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君とさようなら ページ34

これからも、変わらない。
私は、ずっとずっと、君を見守っている。
君の隣には立てない私の、誰にも負けない、たったひとつの特権。


リンク「A…っっ」


リンクの手に力がこもる。
今までの、どんな時よりも強く、強く、抱きしめられる。

私の手はもう上がらなかった。
だらりと君の後ろに投げ出すことしか出来なかった。
それでも必死に君の胸に頬を押し付けて、君の存在を確かめた。


リンク「好き……好きだよ、A。この世界の何よりも好き……大好き……」

『私も、リンクが、大好き……』


まさかこんな事を君に直接言える日が来るなんて思わなかった。
妖精として生まれたこと、私だけが君をずっと見ていられるという特権があったとしても、やっぱり恨まないなんてことは出来ない。
だけど、本当だったら会えてなかったし、こんな気持ちを知ることも、伝えることも出来なかった。
そして、君が同じ想いを返してくれるなんて事も簡単に叶うものではなかった。
でも叶った。全部、叶った。


『私は、幸せ者だなあ……』


意識が遠のく。
私の体は仄かな光に包まれていく。

視界の端で辛そうな顔をして私を見つめていたゼルダを見た。
私たちの様子を終始黙って見守っていたナビちゃんを見た。


『ゼルダ…ナビちゃん…最後までありがとう…』


自分ではもう、自分の体を動かせない。
リンクはそんな私の顔を両手で包み込むようにして、上を向かせてくれた。
良かった、この世界から消えてしまう前に、君の顔が見れた。


『リン________』


君の唇が、私の言葉を飲み込んだ。
そのまま優しく、大切そうに君は私の唇に何度も何度もキスを繰り返した。

君の涙が、私の頬を伝った。


さようなら、リンク。
本当に本当にありがとう。


……ずっと、ずっと、ずっと、大好き。







.

君にとっての最善策→←君に贈る言葉



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レイン(プロフ) - 最ッッッッッッッッッッッ高です!!ほんとに!今部屋走り回ってきました!そんぐらい好きです!ああもうリンク尊い…(遺言) (2019年7月14日 20時) (レス) id: f0b4214c85 (このIDを非表示/違反報告)
三村(プロフ) - ((MOE.moena))さん» ありがとうございます!あまり挑戦しないエンドだったので心配だったのですが、そう言っていただけると本当に書いてよかったと思えます!!最後までありがとうございました!! (2018年3月14日 18時) (レス) id: 25fb77a1be (このIDを非表示/違反報告)
((MOE.moena))(プロフ) - 最高でした!!! (2018年3月8日 0時) (レス) id: 11d29a6d34 (このIDを非表示/違反報告)
三村(プロフ) - mayaさん» コメントありがとうございます!心に響く話が書けていたようで何よりです…!もう少しで完結です。と言っても、更新が不定期でご迷惑おかけするかもしれませんが…最後までよろしくお願いします!! (2018年2月26日 23時) (レス) id: 25fb77a1be (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - なんですかこの作品わぁ……泣いちゃいましたよ!!?もうリンクのいかないでみたとき号泣しましたよぉぉ……もう少しで完結ですかね…?更新頑張ってください…(泣) (2018年2月20日 15時) (レス) id: 4668a7dd1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三村 | 作成日時:2016年4月23日 19時

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