君と解く最後の封印 ページ22
氷の仕掛けを、リンクと解きながら、大きく息を吐く。
寒さで吐息が白く広がった。
長居は禁物だなぁ…
リンク「A、大丈夫?寒くて具合、悪くなってたりしない?」
『うん!ずっと居ないなら、全然平気!』
ガノン城の中は、入ってすぐのところに、私達が進めないような封印が施されていた。
ということで、各部屋の仕掛けを解きつつ、封印を解除しているという訳なのだが。
『それにしても、さっきのリンクはすごかった…』
数分前、炎の封印を解く部屋で、リンクが金のグローブなるもので、思いっきり岩の柱をぶっ飛ばしたのだ。
思い出しただけでも、口をあんぐり開けてしまいそう。
すごい、と、面白い、が混ざった感情のおかげで、忘れられないのだけれど、どうやらリンク本人は少し恥ずかしかったらしく、さっきから「もう忘れて!」と若干顔を赤くしている。
『慣れたもんだよなー…』
リンク「? 何が?」
『リンクが顔、赤くするの。前はそれだけで、あたふたしてたのに…あぁ、私も成長したってことかぁ』
ああ、歳とったもんだぜ…と、しみじみ、思い出に浸り、四角い氷を押すと、見事に道が開けた。
ナビィ「なんかA、おばあちゃんみたい」
リンク「俺もそう思った…ていうか、あれ?そういえば、ずっと俺のこと見てたって、いつから?」
ふと、思いついたようにリンクが聞いてくる。
いつから?
『うーん…意識して考えたことなかった…私、いつからリンクのこと見てるのかなー?』
リンク「そうなんだ。妖精だし、Aって実は結構年上なのかなって思って」
『えっ、まさか年上は嫌い?!』
リンク「えっ、いや、違うよ!そうじゃなくて…」
決まり悪そうにリンクが頭を搔いて、私を見る。
リンク「そ、そういうこと、君の知らないこと、もっと知りたいって思ったから」
『……』
な、何そんな見てんの?!とリンクは、相変わらず赤くなって、ズンズン開けた道を歩いていく。
私の隣を飛んでいたナビちゃんが、そっと話し出した。
ナビィ「ふふ、リンクもAも、変わったネ」
『変わった?』
ナビィ「うん。ナビィ、前から二人のことは好きだったけど、今はもっと好きヨ!」
『な、ナビちゃん……!!!』
堪えきれず、ナビちゃんの小さな体に抱きつく。
『私も好きだよ!ナビちゃん!!』
ナビィ「だからね、二人には幸せになってもらいたいナ…!」
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レイン(プロフ) - 最ッッッッッッッッッッッ高です!!ほんとに!今部屋走り回ってきました!そんぐらい好きです!ああもうリンク尊い…(遺言) (2019年7月14日 20時) (レス) id: f0b4214c85 (このIDを非表示/違反報告)
三村(プロフ) - ((MOE.moena))さん» ありがとうございます!あまり挑戦しないエンドだったので心配だったのですが、そう言っていただけると本当に書いてよかったと思えます!!最後までありがとうございました!! (2018年3月14日 18時) (レス) id: 25fb77a1be (このIDを非表示/違反報告)
((MOE.moena))(プロフ) - 最高でした!!! (2018年3月8日 0時) (レス) id: 11d29a6d34 (このIDを非表示/違反報告)
三村(プロフ) - mayaさん» コメントありがとうございます!心に響く話が書けていたようで何よりです…!もう少しで完結です。と言っても、更新が不定期でご迷惑おかけするかもしれませんが…最後までよろしくお願いします!! (2018年2月26日 23時) (レス) id: 25fb77a1be (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - なんですかこの作品わぁ……泣いちゃいましたよ!!?もうリンクのいかないでみたとき号泣しましたよぉぉ……もう少しで完結ですかね…?更新頑張ってください…(泣) (2018年2月20日 15時) (レス) id: 4668a7dd1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三村 | 作成日時:2016年4月23日 19時