時を越えて君へ・2【ゼルダの伝説】

君と私の7年後への決心 ページ11

『ナボールさんっ！！』

リンク「ナボールさんっ！！！」


叫んだのは同時だった。
お目当てのものを入手した直後、聞き覚えのある声が砂漠の方から聞こえてきたのだ。


「アタイをどこへ連れて行く気だい！？
ちくしょう！放しやがれ！！」


悲鳴と共に聞こえたそれに、下を見てみると空を飛ぶ、マホウツカイ…と言われるであろう人達にナボールさんが何やら捕まってしまっていた。
砂漠に出来た不気味な穴はどんどんナボールさんを引き込んでいく。


『ナボールさんっ』


咄嗟にその場から飛び降りようとして、リンクとナビちゃんに服の裾と手首を引っ張られて制止された。
振り向いて2人を見ると、困ったように、焦ったように、否定の意味を込めてぶんぶんと首を横に振っている。

伝わってくる。
きっと2人も私と同じ気持ち。ナボールさんを助けたいって思ってる。
だけど、今ここで私達は、リンクは、捕まってしまうわけにはいかないのだ。
ここでリンクがナボールさんと一緒にあのマホウツカイに捕まれば、7年後の未来が救えなくなってしまう。

ギリ…と歯を食いしばり、砂漠の闇へと消えていくナボールさんをただ……見つめる。

ようやく理解できた。
反ガノンドロフを掲げているのに、彼女は7年後、ガノンドロフの片腕だと言われていたから。
まさか、こんな…こんな風に…


私の手首を掴んでいたリンクの小さな手が、いつの間にか私の手をぎゅっと握っていた。
絡ませるように繋いだ手に力がこもっていく。
見ると、リンクも唇を噛んでいた。
助けに行くことを耐えているんだろう。
繋がる手を、私も強く握り返すことで気持ちに答える。


うん、リンク。
助けよう。
ナボールさん、ちょっとしか話さなかったけど、すごくいい人だってすぐに分かった。
貴女は、いずれ、あのマホウツカイの所為で、憎き相手の片腕になってしまうけれど…


『助けるよ…信じて』


7年後。
もう一度この地で、貴女を私達が救ってみせる。


ナボール「リンク〜ッ！嬢ちゃん〜ッ！早く逃げろ〜っ！」

『…っ！』

リンク「…ッ！！」








7年後、必ず！！！！




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