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「……じゃあね。送ってくれてありがとう」
「あぁ…。俺こそ、ご馳走さん」
Aを家まで送った。
キスをし損なって、気まずかったけど
Aが笑い飛ばしてくれたお陰で
またいつも通りの俺たちになった。
「ん」
「え？あ…」
俺が手を差し伸べると、
Aはきょとんとしていたけど
すぐ理解して、ぎゅっと握手してくれた。
俺にはこれが精一杯だ。
スマートに、カッコよく、無駄なく
エスコートすることなんか出来ないし
気が利く事も言えない。
でもこの気持ちは誰にも負けないって思ってる。
こっちは一目みた時から、惚れてんだ。
いつも一生懸命で、誰にでも分け隔てない
明るいお前が好きだ。
今夜は特別な夜だった。
.
.
.
翌朝
水の都ウォーターセブンに衝撃的な号外が出た。
"ウォーターセブンの英雄
市長アイスバーグ暗殺未遂"
「玉は正面から２発…後ろから３発。
この部屋で昨夜何が起きたのか知らんが…ひどいもんだよ」
「どういう事だ…畜生…！！」
医師の言葉とカリファのすすり泣く声が室内に響いていた。
昨夜、俺がAと楽しく飲んでる間に
アイスバーグさんは襲撃された。
意識不明の重体だった。
バタン！
「アイスバーグさん…！！」
慌てた様子でAが来た。
その瞳は既に涙で濡れていた。
アイスバーグさんは、この街の誰からも愛される
そんな人望の持ち主だ。
俺だって一番尊敬してる、憧れの人だ。
「そんな…！うぅ…っ！！」
「A…」
俺が手を伸ばすより先にルッチがAの肩を抱いて、
Aはルッチの胸で泣いた。
俺はただ黙ってそれを見ている事しか出来なかった。
本当は抱きしめて「大丈夫」って
言ってやりたかったのに
俺はそれが出来ない臆病者だ。
.
.
.
それから、カリファとAが交代で
アイスバーグさんを見守り、俺たち男共は
ただ部屋の外で目が覚めるのを待った。
俺はこの時、まさかあんなに事になるなんて
少しも想像してなかったんだ。
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ちゃわん虫(プロフ) - ダダン巻きさん» ありがとうございます！パウリー？誰だっけ？？と思われているかもと勝手に思っていたので嬉しいです笑 ダダン巻さんの小説もお気に入りに入れさせて頂きました！ (2021年1月12日 11時) (
レス) id: 65c61994ea (このIDを非表示/違反報告)
ダダン巻き(プロフ) - コメント失礼します！小説読んでて胸が躍りました…！めちゃめちゃ好きです！！！ (2020年12月31日 1時) (レス) id: 04fb927f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃわん虫 | 作成日時：2020年11月3日 16時
