物欲、とは２ ページ13
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「あの…お客様…」
「あァ？テメェ…ミイラになりたいのか？」
「ヒィッ！」
「ちょっとボス！やめて下さいよ！」
そういう訳で私達は(私の)念願のJohnny's cafeにいる。
ボスは大層機嫌が悪く、いつものように葉巻に
火を付けようとした時店員に声を掛けられた。
「ボス、ここ禁煙です」
「あァ？んなの関係あるか」
「あります！」
「大体何で俺がこんなとこに…」
「ボスが言ったんですからね。
欲しい物買ってやるし、したいことさせてやるって」
「テメェが勝手にやりゃあ良いだろ」
「"ボスも一緒に"ここに来る事が私の希望です！
来たからにはルールは守ってください。ここは禁煙です」
「何だと…？」
「自分で言ったことに責任持てないんですか？」
ちょっと言い過ぎたかも。
チラリと目をやると、
ボスは火を付けようとしていた手を止め
葉巻を胸ポケットにしまっていた。
「チッ…」
「ふふ。ボスは何にしますか？」
「………コーヒー」
ふてくされて、子供みたい。
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「わぁっ…！」
私は目の前に置かれたスペシャルパフェに釘付けになった。
自分の顔ほどの大きさのそのパフェは
バナナやイチゴ、オレンジなどの
フルーツが贅沢に盛り付けられていて、
生クリームとバニラアイス、
それからチョコレートのソースがたっぷりかかっている。
「本当に…スペシャル！」
こんなに豪勢なデザート、生まれて初めて食べる。
家出する前だって、貧乏な家だったから
こんな贅沢したことがない。
「ボス！見て！！」
「良いから早く食え。溶けるぞ」
「え〜なんだか勿体無くて！
だってこんなに綺麗に…」
「また来りゃあ良いだろ」
「え？」
「……黙ってさっさと食え」
"また来れば良い"って言った？
こんなに嫌そうな顔してコーヒーをすするボスが
またここに一緒来てくれるんだ…！
嬉しくって、思わずニヤけちゃうけど
早く食べないと本当に怒られそうだ。
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作者名：ちゃわん虫 | 作成日時：2020年10月31日 0時
