【スモーカー】風に舞う煙 (ページ7)

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その日、ある街に海賊船が3隻停泊していると情報があり
私たちG-5が向かうこととなった。

「はぁ、めんどくさ」

「なぁ捕まえたら火あぶりにする？水責めにする？」

「どっちもやらねぇよ…」

同じくG-5の隊員、ダン。
拷問好きのイカれ野郎。

「海賊船なんか…ねぇな」

「はい。スモーカーさん。誤報でしょうか？」

「何か変だ…」

街についても海賊の姿は見られない。
誤報かもしれないがとりあえず偵察する事となった。

が、面倒なので軍艦に残る。

「皆、行ってらっしゃい♪」

……さ、寝るか。

.

.

.

「何もないみたいですね…」

「あぁ…戻るか」

ドォン！

ドゴォォン！！

「……っスモーカーさん！」

「船の方だ…急ぐぞたしぎ！！」

.

.

.

「これは……どういう事だ？」

「あ？」

俺とたしぎ、その他G-5の隊員が
軍艦を停泊させた港に辿り着くと
そこには逆さまになった海賊船が3隻。

軍艦には100人はいるだろう海賊たちが
縄でしばられ大人しくしている。

その先頭にAがいた。

「お前が全部やったのか…？」

「…海賊船が3隻"止まってる"じゃなくて"向かってる"の
　間違いだったみたい。…迷惑な話だね」

「Aさん、一人でこれを…？」

「一人じゃないよ。縄で結ぶのは自分でやって貰った。ねー？」

「は…はは。襲ってすいませんでしたッ！」

「もういいよ。大人しくしててくれれば」

全部結ぶの大変だったから、とアクビしながらAは言う。
こんな小娘が一瞬にして海賊船を3隻潰して
100人の海賊を手懐けて、縛り上げたっていうのか？

「……なんだよ、中将と大佐は何かご不満？」

「いや…そういう訳では…」

俺は驚きのあまり言葉を失っていて、
たしぎも同じ様子だった。

「自分の正義に…従っただけなんだけど」

少し照れたように、頬を掻きながらAは言った。
それから「後はよろしく」といって居なくなっちまった。
どうせまた昼寝しに行ったんだろう。

俺たちはその後の処理に追われた。