【スモーカー】風に舞う煙 (ページ33)

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灯りが消えないように１ページ33

コンコン

「スモやん、おいっすー」

「あぁ、A…ってお前らまで…」

「スモさんお疲れ様デス！」

「お邪魔します！」

「すみません…
　Aさんがスモーカーさんの部屋に
　飲みに行くって言ったら皆さんも行きたいって言って…」

申し訳なさそうに小さくなるたしぎと
気にせずズカズカ入ってくるAと隊員2名。

なんでこうなっちまったんだ……

【灯りが消えないように】

「はいお疲れー」

「うぃーかんぱーい」

「…テメェら…好き勝手しやがって…」

「いやー俺、スモさんと飲みたかったんですよー」

「本当すみません、スモーカーさん…」

最近任務が忙しく、やっと時間が出来たので
Aを部屋に呼んだ。
たまにはゆっくり２人で飲もうと思ったんだが…

「つまみできたよー」

「うぉー！すげー！A、料理出来るのかよ！」

「酒のつまみくらいならね」

Aが何品か並べる。
さすが自分が酒飲みなだけあって気が利いたラインナップだ。

コイツの手料理は俺だけのものだったのに…面白くない。

つまみだけじゃない。
パスタだって、炒飯だって
…何でも美味いんだ。

「スモやん、どした？」

「いや…別に。旨そうだな」

「今日は新メニューに挑戦したんだ！」

Aが悪気なく、嬉しそうに笑うので
どうでも良くなった。
お前が楽しいならそれで良いか。

.

.

.

別の日

「なぁA、今夜仕事の後ーー……」

「ごめん今急いでるの！
　ダンの拷問がキツすぎて泡吹いちゃったんだよ！
　重要参考人なのに、死にかけてて！」

「そうか…」

.

.

.

コンコン

「はい」

「入るぞ。……Aは？」

「あ、お疲れ様です。
　Aさんは海賊船と海軍の軍艦を間違えて
　沈めちゃったんで、お説教されに行ってます」

「アイツ何やってんだ…」

「スモーカーさんも後で呼ばれると思いますよ」

「あぁ…そうだな…」

.

.

.

最近どうもすれ違いだ。

「クソ…っ」

俺は頭を掻いて、葉巻に火をつけた。

「スモやん！はぁ、はぁ。やっと見つけた…」

息を切らせたAがそこには居た。

「ダッシュで仕事終わらせて来た！
　最近、ゆっくり話せてなかったからーー…」

Aが言い終わる前に俺はヤツの手を引いて
バイクを停めている場所まで連れて行く。

「ちょっと…！どっか行くの？
　バイクじゃ酒飲めねーじゃん」

「いいから乗れ」