【スモーカー】風に舞う煙 (ページ2)

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「……クソ。スモやんめ」

スモやんのくせに私の頭をガシガシするなんて、許せん。

「Aさん！」

「あ、たしぎ」

「どこ行ってたんですか！もう！」

たしぎ大佐。コイツも私の上司。

上司なんだけど上司っぽくないから
もう「たしぎ」って呼び捨てにしてる。

「ハイハイ、報告書でしょ」

机に向かって書類を取り出す。
字を書くのは苦手。

「ねぇ、見張ってなくてもちゃんとやるって」

「前回もそう言われました」

「あ、そう」

さすがたしぎ。
よく分かってらっしゃる。

「………」

「…ねぇ、スモやんってさ…」

「はい。何ですか？」

「ムカつくよねぇ…」

「は？」

「思い出しただけでイライラしてきた」

「俺がなんだって？」

「だから、ムカつくんだよ。偉そうにさ…」

……って、何でここに？！

「おい！勝手に何を勝手に
　レディーの部屋に入ってるんだよ！」

「どこにレディがいるって？」

「スモーカーさんっ！一応私もいます！」

「たしぎ、本部からお呼びがかかってるぞ」

「えっ？！」

たしぎはバタバタと忙しなく出て行ってしまい
またコイツと二人きりになってしまった。

「報告書なんか急がなくても良いだろ」

「もう既に締切過ぎてんだよ、バカ」

「…っだから！それ、やめろって！」

また私の頭をぐしゃぐしゃやってくる。

「なんだ、照れてんのか？」

「ちがっ…違う！！」

「お前、結構可愛いとこあるんだな」

「んなっ…！？」

「途中で良いから見せてみろ」

私の隣に座る。

「ちょ、ちょっと…」

「あ？」

「近い…」

「なんだよ？」

「は…葉巻くせぇからもう少し離れろ」

スモーカーは意地悪く笑った。
何か調子狂うな。

「じゃあ葉巻を消そう」

「えっ…」

スモやんが葉巻を咥えてない事なんか無い。

接着剤でくっついてんのか？ってくらい
ずーーっと、四六時中咥えてる葉巻を
なんでそんな簡単に消すんだよ。

「これで良いか？」

「いや…その…
　ちょ…っちょっと待って…！」

私の椅子の背もたれに手を付いて、顔が近付いてくる。
何でこんな展開に…？

思わずぎゅと目を瞑る。

「ク…ワハハ！お前も乙女な顔するんだな」

「……っな…！」

「顔、赤いぞ」

「こ…このセクハラ中将！！」

「ククク…良いもん見せてもらった。
　さっさとそれ片付けろよ。じゃあな」

そういうとまた葉巻に火をつけて部屋を出た。

「なんなんだよ…」