９ ページ10
.
.
.
「あらら…竜骨が。
そりゃあ不憫だなぁ。本当かよ？
そんなになるまで放っておくか？普通」
カク「わしが査定したんじゃ。間違いない」
ｶﾘﾌｧ「…まぁこれで万が一奴らが逃げようとしても
他の船を奪わない限り出航は不可能ということね」
カリファがフゥ、と煙草の煙を吐いた。
吸ってるところは久しぶりに見た。
彼女なりのスイッチの切り替えになるんだろう。
ﾙｯﾁ「ニコ・ロビンの方は？」
ﾌﾞﾙｰﾉ「問題無い。今夜決行する」
ﾙｯﾁ「では手筈通りに」
今夜、ブルーノとニコ・ロビンで
アイスバーグを襲撃する。
ｶﾘﾌｧ「今夜もパウリーの家に？」
「あぁ。アリバイがあるに越した事はねぇだろ」
ｶﾘﾌｧ「そうね…」
「…なぁ、一本くれよ」
ｶﾘﾌｧ「え？あら、珍しい」
カリファの煙草を吸う姿は美しい。
それに憧れて、俺も真似して吸ってた時期があった。
今はすっかり辞めちまってたが。
「あー…久しぶりに吸った。
頭クラクラすんな…」
ｶﾘﾌｧ「いつも葉巻咥えてる人の隣に居ても？」
「あれはまた別だろ。あぁ、でも美味い」
ｶﾘﾌｧ「ふふ。らしくないわ」
「俺らしいとか、らしくないとか…
この数年で良く分からなくなっちまったなぁ」
だって性別すら"あやふや"だ。
何がそんなに心に突っかかるのか？
俺らしいって何だ？
力で相手をねじ伏せること以外
やって来なかった。
そのツケが今、回って来たんだろうか。
ｶﾘﾌｧ「似合ってないって事」
「あ？」
ｶﾘﾌｧ「いつでも本能のままに。
無茶ばっかりして、私たちに迷惑かけてばかり。
だから放っておけない。それが貴方って人でしょう」
「おいおい、そんな自己中野郎かい」
ｶﾘﾌｧ「"こうだから、こうするべき"とか
型にはめて考えるのは貴方らしくないって意味よ」
「はぁ…？」
俺は首を傾げるけど
カリファは煙草を灰皿に押し当て
不敵に笑うだけだった。
決行は、今夜。
.
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃわん虫 | 作成日時：2021年7月22日 22時
