【ルッチ】兎と豹【ワンピース】 (ページ7)

今日:6 hit、昨日:45 hit、合計:53,358 hit

６ページ7

「おーい、ルッチと…そこにいるのは～…？」

「…ジャブラ！」

「？！」

あぁ、コイツには会いたくなかった。

だって絶対、馬鹿にするに決まってる…！！

「もしかして、おま…お前…」

「……んだよ。わざとらしい。
　馬鹿にするならさっさとしろ。
　そして消え去れ。この世から」

「俺のどタイプじゃねぇか…！！」

「あ？！」

「A、お前、ヤらせろ！今すぐ！！」

「アホか！！ふざけんな！触るな！！」

ジャブラの野郎、何考えてやがる！？
急に抱きついて来やがった！！

「離せバカ！おいルッチ、どうにかしろ！」

「……」

呆れた顔をしながらも
ルッチが俺からジャブラを引き剥がしてくれたので
慌ててルッチの後ろに隠れる。

「おい！せめて乳揉ませろ！！」

「黙れヘンタイ！！」

「…A。お前はさっさと行け」

「お、おう！助かった！ありがとう！」

ルッチに耳をつままれたジャブラの
断末魔のようなものが聞こえたが
構わず俺はカクの部屋を目指す。

.

.

.

コンコン

「カクー…俺だ。A。入るぞー」

まだ聞き慣れない自分の声に
違和感を感じながら扉を開ける。

「よっ。大丈夫か？」

カクは足を負傷していた。
顔にも所々絆創膏が貼られている。

「…折れたか？」

「いや、ヒビじゃ。情けない。
　着地に失敗した」

「俺のせいで…ごめんな」

「お前のせいじゃない。
　味方がいるのに構わず砲撃する奴がおるか？」

「それがサイファーポールだろ。
　任務の為には犠牲を厭わない」

援軍が来た時、俺が素直に引き下がっていたら
カクを巻き込まなかったはずだ。

いつもそうだ。
すぐ感情的になる俺をカクがフォローする。

俺は何やってんだ…。

「そんな事より、A。
　やはり女になったままか」

「あぁ…最悪だよ。
　ルッチには呆れられるし、
　ジャブラには乳揉まれそうになるし…」
　
「はは。まぁ悪くないぞ。美人じゃ」

「…は？！お前まで、何言ってんだ馬鹿！」

「冗談じゃ。お前も頭を強く打ったと聞いた。
　今日はもう休め。ワシも眠る」

「お、おぅ…。邪魔したな。また来る」

バタン

俺はカクの部屋を出た。

ルッチやジャブラみたいに
嫌味のひとつでも言ってくれた方が
いくらか楽だったかもしれない。

でもカクはそう言う奴じゃない。

それも全部分かってて、俺は甘えちまうんだ…。