【ルッチ】兎と豹【ワンピース】 (ページ6)

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何でだ？！

何が起きてる？！

俺、俺…おれ。

何で女になってるんだ？！

待て待て待て待て

冷静になれ

あの時何があった？

そうだ。そうだよ。

あん時俺は、イワンコフの野郎に…

"エンポリオ・女ホルモン。
　美人さんになったじゃなぁーーい？！"

じゃなぁーーい？！

なーーい？！

ぁーぃ…

……

ヤツの声がこだまする。

「嘘だろ…カリファ！！
　あれからどれくらい時間が経った！？
　追いかければまだ間に合うかもしれん！！」

「丸一日…経ったわ。
　もう追いつくことは出来ない。
　こっちも壊滅的な被害を受けているの」

「そんな…」

何かに頭をどつかれたみたいに
ぐんと重くなって、冷や汗が止まらない。

俺、女になってる。

「A…？どこへ行くの？！
　まだ寝ていないと…」

「……カクの見舞いに…行ってくる…」

俺は頭が真っ白になった。

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「何で…どうしたら…っくそ…！」

俺は部屋を出た。
未だ信じる事が出来ない。

しかし、視線を下へ送れば
歩くごとに胸元が揺れている。

「しかも巨乳かよ…」

コツコツコツ…

あれは…

ルッチがこちらへ歩いて来ていた。

奴は同僚だが俺を見下していて
いけすかない野郎だがいつも冷静で
いざって時頼りになる。のは認める。

「ルッチ！」

「……Aか」

「なぁ！見ろよ！！
　俺、女になっちまったんだよ！」

「……っおい…！」

俺はルッチの手を取って胸に当てた。
今まで感じたことのない感覚だ。

「ほら！！よく見ろよ？！」

「…っ分かってる。俺もその場に居た」

珍しくルッチが取り乱して手を振り払われた。

なんだ、知ってたのかよ…

「なぁ、どうすりゃいい？！
　俺は女は大好きだが自分が女になるなんて…
　ルッチ…どうにかしろ！！」

「俺がどうにか出来る訳ないだろう。
　そのまま女として生きればいい」

「テメェ人ごとだと思いやがって…！」

「貴様のミスだろ。受け入れろ。
　人を巻き込むな。お前の悪い癖だ」

「むっ…！」

まだ頭がズキズキする。

それにルッチの野郎を見上げないと
話せない事が一番腹が立つ。

態度だけでなく、文字通り見下されている。