【ルッチ】兎と豹【ワンピース】 (ページ49)

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「遅刻じゃ」

「わりぃ…」

カクが機嫌悪そうに腕組みしていた。

船大工の仕事のお陰で筋肉が衰える事はない。

しかしそれだけでは体が鈍ってしまうので
カクには時々こうして訓練に付き合ってもらってる。

今夜はその約束をしてたのに
パウリーの家からなかなか抜け出せず
遅刻してしまったのだった。

「乱脚」

「うお！っいきなりかよ！」

「この程度で反応できない程落ちぶれたか？」

斬撃が飛ぶ。

俺たちの訓練は人目を避ける為に
深夜、人のいない場所で行っていた。

「デートか？」

「んー。まぁな。ぅるぁっ！」

「ッ楽しそうじゃの…」

「そうでもねぇよ。ていっ！」

「遅いのう！」

「お前もな！オラッ！」

指銃の撃ち合いが始まるが
お互いなかなか当たらない。

「うおーっ今のは惜しい！な？！」

「わざとじゃ」

「負け惜しみって言葉知ってるか？」

指銃と乱脚を連続するが
紙絵と剃で上手くかわされてしまう。

カクのすばしっこさはピカイチだ。

対する俺はパワー系。
かつて男だった頃は腕力においては
サイファーポールじゃ１、２を争う。

「お前に今足りないのは速さじゃ」

「んなのっ、わかってるよ！クソっ！」

女の身体になっちまった今は
そのパワーに頼るのにも限界がある。

そこで俺が強化すべきは"スピード"だ。

カク「しかしやはりバネは良いな。
　跳躍力が以前と桁違いじゃ」

「まぁな…これが"悪魔の実"の力さ」

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時は遡り、社員旅行から帰宅後
ブルーノの酒場にて。

「俺も帰る。じゃあな」

ｼﾞｬﾌﾞﾗ「待て待て！待てって！
　お前らに土産があるんだよ」

「土産？」

ｼﾞｬﾌﾞﾗ「お前ら待望の"悪魔の実"だ。
　ちょうど３つ手に入ったんで持ってきた」

カク「！」

ｶﾘﾌｧ「やっとなのね…！」

CP９で悪魔の実を食していないのは
俺とカクとカリファの３人だった。

ついにこの時がやって来たんだ。

ﾌﾞﾙｰﾉ「どの実に何の能力があるのか分からない。
　恨みっこなしだ。勿論食わないって選択肢もあるが…」

ﾌｸﾛｳ「チャパパ！アリアリの実とか言って
　蟻になるかもしれないチャパ！」

ｼﾞｬﾌﾞﾗ「ふはは！さぁ、どうする？お前たち」

どうするも何も、答えはひとつに決まってる。

カクｶﾘﾌｧ A「食べる！」