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ルッチ「……」

「…あのさ」

ルッチ『何だ』

「…パウリーと、付き合うことに…なった」

ルッチ『そうか。おめでとう』






何でこんな気まずい感じになるんだ…

元々彼氏って訳じゃないし
変態プレイに付き合ってただけであって

何の感情も無いし、何か言われる筋合いも無いし
つかそもそもルッチがパウリーを落とせって
言って来たのに従っただけだし。





「……」

ルッチ『他に何か話でもあるのか?』

「…っだから、その…!」






あぁ俺は、いつからこんな風になっちまった?

ルッチの全てを見透かしたような目で見られると
上手く言葉が出てこない。





ルッチ『言いたいことがあるならハッキリ言え』

「…だ、だから!お前との関係は終わりに…したい」

ルッチ『…俺との関係とは?』

「い、言わなくても分かるだろ?!
 どこまで意地が悪いんだよお前は!」

ルッチ『フン。褒め言葉として受け取ろう』

「とにかく!もう俺に構うなって事だよ!!」







ルッチを睨みつけて、自分の言葉で
ハッキリと俺は言ってやった。






ルッチ『元より何の関わりも無い』






捨て台詞みたいにルッチが言って
俺はそれ以上返す言葉が無かった。





気まぐれに傷つけて、振り回して、掻き回して

オモチャみたいに散々弄んで

それなのに"元から関係無い"なんて…




どうしてそんなに冷たい目で言える?




「…っとにクズだな。テメェは…」

ルッチ『それも褒め言葉か?
  そろそろ話を切り上げないと王子様が来たぞ』





ルッチの視線の先にはパウリーが
葉巻に火をつける仕草をしながら
こちらへ向かって歩いて来ている。

そして俺たちの存在に気付いて笑顔で手を振った。






パウリ「おお、A。ちょうど良かった!
  もう昼メシ食っちまったか?」

「いや…これからです」

パウリ「そうか!俺もまだなんだ。
  一緒に食おうぜ。ルッチ、お前は?」

ルッチ『俺はもう済ませた。
  打ち合わせがあるからもう行く』

パウリ「そうか。お疲れさん!」

「………」







ルッチは消えて行った。

俺たちはその背中を見送って

パウリーの葉巻の煙は
ぷかぷかと宙に消えていった。

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- めっちゃ面白いです! (2022年8月11日 21時) (レス) @page22 id: 2b2ead1ebd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃわん虫 | 作成日時:2021年5月28日 23時

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