【ルッチ】兎と豹【ワンピース】 (ページ40)

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「もしかして…男か？」

「へ？！」

「彼氏にやられたのか？」

あぁ、そっちね。
ビックリした。

「彼氏って訳じゃないんですけど…その…」

「……」

クソ。どうすりゃいい？
どうやってこの場を切り抜ける？

パウリーは神妙な顔をしている。

「…A。お前、そいつのこと好きなのか？」

「え、いや、全然！好きじゃないです！」

「じゃあ無理矢理されてるってことか？」

「ん、と…まぁ、うーん…」

我ながら歯切れが悪い。

「うおっ…？！」

ごちゃごちゃと頭の中で考えているうちに
パウリーが俺を抱きしめた。

「しょ、しょくちょ…」

「…そんな男とは別れろ」

「いや、あの…」

「俺はお前を傷つけたりしない」

照れ屋で、シャイで、奥手なパウリーが
俺を抱きしめて背中をさすった。

「俺はお前を大切にする。絶対だ。
　だから…そんな男やめて、俺んとこに来い」

「パウリーさん…」

「お前が好きだ」

「！」

「ずっと好きだった」

パウリーの気持ちには随分前から気付いていた。

それでも一歩進めないでいたのは
彼の奥手さもあるけど、俺の気持ちに
踏ん切りが付かなかったせいもある。

だって今、こんな状況にも関わらず
ルッチの野郎の顔がチラついてる。

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