【ルッチ】兎と豹【ワンピース】 (ページ39)

今日:32 hit、昨日:23 hit、合計:53,339 hit

３７ページ39

.

.

.

それから数週間経った。

仕事にはかなり慣れて来たが、
まだまだ覚えることはたくさんあるし
毎日とにかく忙しくて
あっという間に日々は過ぎていく。

忙しい合間を縫って
俺たちは設計図の手がかりを探っていた。

そして忙しい合間にさらに縫って
俺とルッチの不思議な関係は継続していた。

「(あの野郎…また思い切り噛みやがって…)」

ルッチの行為は日に日にエスカレートしてゆき
昨日なんか目隠しされ、腕を拘束された。

そして身体中にキスマークと噛み跡が残った。

「俺…何やってんだろ…」

カリファに貰ったファンデーションで
見える部分は消えてるはずだ。

汗で消えちゃうから、小まめにチェックしないと。

って何で俺がそんなことしなきゃいけねぇんだよ…。

そういったツッコミは心の中に閉まっていて
いつしか俺はルッチに逆らえなくなっていた。

まるで洗脳されているみたいだ。

「A、どうした？その手首」

「うお、パウリーさん！」

考え事をしていてパウリーの足音に気が付かなかった。
こんなんじゃマジで諜報員失格だ…。

「リストバンドなんて珍しいじゃねぇか」

「いや、これは…その…」

「あ。何かの願掛けとかか？」

何と答えたら良いんだろう、と考えている隙に
パウリーが俺のリストバンドをめくった。

「…あっ！」

「…！何だこれ…？」

リストバンドで隠していた俺の手首には
昨夜ルッチに縛られたロープの跡が
痛々しく、そして生々しく残っていた。

「誰にやられた…？！」

「ち、違うんです！」

「左手も見せてみろ！」

「あっ、パウリーさん！ちょっ…」

パウリーは真剣に心配している顔をしている。

手首は手を洗ったりしたときに
ファンデが落ちるだろうからと、
普段し慣れないリストバンドなんかしてたせいだ。

「何でこんなことに…痛むか？」

「いや、そこまで…」

「なぁ…。何か困ってる事があるのか？」

困ってる、と言えば困ってる…けど。

ルッチの変態プレイに付き合わされてます！
なんて言える訳ない。

　

.