【ルッチ】兎と豹【ワンピース】 (ページ36)

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ｶﾊﾟﾙ「最新技術を取り入れているのさ！
　これによって人件費も削減出来るし
　人為的なミスも無くなる」

「カパルさん」

機械に目を奪われていると
先程のカパル氏が俺の横に立ち自慢げに言った。

そして、俺の手を取った。

ｶﾊﾟﾙ「君のような可憐な女性でもボタンひとつで
　簡単に作業を出来るんだ」

ゾッとした。

カパルの指が俺の手の甲をさすっている。
俺はさりげなくその手を引き離した。

「…そうですか」

ｶﾊﾟﾙ「船大工は力仕事が多いのに
　こんなに華奢な身体でよく頑張ってるな…
　アイスバーグは人使いが荒いだろ？」

今度は俺の腰にカパルの手が回り
ぐっと引き寄せられる。

「(この男…！)」

ｶﾊﾟﾙ「どうだ？君が今貰ってる給料の倍出そう。
　我が社に来ないか？」

「ちょっ…！」

腰に添えられていた奴の手は
次第に下の方へ下がってゆき俺の尻に触れた。

その時だった。

ｶﾊﾟﾙ「いたっ！いててて！！何しやがる！？」

彼の腕を取り、後ろに締め上げていたその人は

「パウリーさん！」

ﾊﾟｳﾘ「うちの社長は引き抜き自体は容認してる。
　"お前らの自由だ"ってね。
　でもコイツの場合は別だ」

ｶﾊﾟﾙ「い、痛い！離してくれ！」

ﾊﾟｳﾘ「コイツは俺が面倒見るって決めてんだ。
　ひよっこから一人前になるまで俺が育てる。
　コイツを引き抜きたかったら俺を通しな！」

ｶﾊﾟﾙ「分かった、分かったから…！」

カパルは涙目で訴えた。
俺はその様子を見つめていた。

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ｱｲｽ「ククク…わっはっは！！
　ンマー、すまなかったな。A。
　カパルの女好きは相変わらずだったか」

「はい…」

ﾊﾟｳﾘ「アイスバーグさん…すんませんでした！俺…」

ｱｲｽ「ンマー、良いんだ良いんだ。
　アイツはそのくらいお灸を据えてやらないと」
　

アイスバーグは笑いを堪えながら言った。

ガレーラカンパニーの船は
ウォーターセブンへの帰路についていた。

「でも職長、痺れましたよ。本当」

ﾊﾟｳﾘ「いや、つい…カッとなってな…」

あと数秒パウリーが遅かったら
俺がカパルを殴ってるとこだった。

「ありがとうございました」

ﾊﾟｳﾘ「礼を言われる程じゃない…」

パウリーは赤い顔を逸らした。

色々あった旅行も終わりに近づいている。

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