【ルッチ】兎と豹【ワンピース】 (ページ22)

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カランコロン

「おっす！ブルーノ！って…お前ら…」

酒場にはブルーノの他に
ルッチ、カク、カリファが勢揃いしていた。

ｶﾘﾌｧ「おかえりなさい。デートはどうだった？」

「デ、デートじゃねぇよ！
　ていうか何で知ってんだよ！」

ｶﾘﾌｧ「うふふ。全部お見通しよ」

ワイングラスを傾けながらカリファが笑った。
こいつらの情報網を舐めていた。

「…ったく」

ﾌﾞﾙｰﾉ「で、何か収穫は？」

「収穫？」

カク「何か新たな情報は無いのか」

「ね、ねぇよ…」

ﾙｯﾁ「使えない野郎だ」

「うるせーな！まずは人間関係の構築が先だろ！
　まだ潜入して３ヶ月なんだし…
　調べるのはその後だ！」

ﾙｯﾁ「ハァ…」

「あー！本当に腹立つ野郎だなぁ！」

ルッチはわざとらしくため息をついた。

事実、俺たちはまだ設計図の情報を
何も得られていないで居た。

カク「カリファの色仕掛けも効かんようだしな…」

ｶﾘﾌｧ「ええ。別の方法を考えるわ。
　一筋縄ではいきそうにないけど…」

カリファは秘書として
アイスバーグの最も近くに居る。

しかしターゲットの怪しい行動は見られず、
本当に設計図を所持しているのか疑わしいくらいだった。

ﾙｯﾁ「お前も少しは役に立て」

「は？何がだよ！」

ﾙｯﾁ「パウリーに接近しろ。
　奴は古株で実質２番手だ。
　何か知っている可能性がある」

「せ、接近って…」

ﾙｯﾁ「奴を落として、情報を盗め」

「……！」

俺は、この時全く見当違いな事を考えていた。

ルッチ。

お前にとって、俺は何だ？

なんて。

"一度抱いたくらいで勘違いするな"

あの時のルッチの言葉が浮かんで
途端に自分が恥ずかしくなった。

そうだよ。

何期待してんだ、俺。

売り言葉に買い言葉でアイツは俺を抱いただけ。

そこに意味なんか存在しなくて
アイツにとっては至極簡単なことで
俺への特別な感情なんて、微塵もねぇんだ。

…いやいや、無くていいだろ！！

何考えてんだ、俺！！！俺は男だ！！！

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