【ルッチ】兎と豹【ワンピース】 (ページ20)

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１９　パウリーside ページ20

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「「乾杯！」」

未経験にしては要領は良いし
何よりガッツがあるんで見込みはある。

最近カケで大勝ちしてこともあり、
今日は俺の奢りだ！と景気良く言って
Aを誘った。

「まぁ好きなもん食えよ」

「わーい！じゃあサーロインステーキ！800g！」

「お、おう…」

「てっきりブルーノの店に行くのかと思ってました」

「あそこは行けば必ず会社の誰かに会うからな。
　たまに一人でしっぽり飲みたい時はこっちに来んのさ」

「へぇ！」

あ。

それじゃまるでコイツと二人きりになりたくて
こっちの店に来たみたいに聞こえるか？

「うぉ、職長！このお通し美味いっすよ！」

いや…気にしてねぇか。

女の部下は初めてで色々と気を遣うかと
少し身構えていたが、そんな事もない。

何故だかAは話していて楽だ。

まるで男と話しているみたいに。

「お前、筋が良いよ」

「マジすか？！っしゃー！褒められた！
　ルッチのやつに自慢したろ！」

「……なぁ、A。お前ルッチと親しいのか？」

「え？」

Aは驚いた様子でこちらを見た。
何でそんなこと聞くんだ、って顔してる。

今日、俺は見た。

Aが台車を運ぶところをルッチが手伝っていた。
そしてその後、手を引いてどこかへ行ったところ。

まだルッチのことはよく知らないが
他人には興味ないって感じがする。

だから違和感があったんだ。

「いや、なんとなくそう思っただけだ」

「えと、あの。
　アイツは同期っすから。
　だからカリファやカクもそんな感じっす」

「そうか」

「あー、でもルッチは年上なのに
　私、偉そうですよね。
　態度改めます。すいません」

「いや、そういう訳じゃねぇんだが…その…」

なんて言ったらいいのかわからない。

ただ、Aの答えを聞いてホッとしてる俺がいる。

「もしルッチと…その、付き合ってんだとしたら
　こうして飲みに誘ったのは悪かったか、と…」

俺、キモいよな？引いてるか？

「ブファッ…！ルッチと、付き合う？！
　無い無い！あんな肩にハト乗せた変人、無理っす！
　彼氏なんか、居ないですよ」

「そうか、そうだよな。変なこと言って悪い。
　これもセクハラになんのか？」

「あはは！カリファじゃないんだから！」

ばんっ！

Aは俺の背中を叩いた。

痛え。

でもやっぱり俺、ホッとしてる。