【ルッチ】兎と豹【ワンピース】 (ページ18)

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「おーい、コレ全部２番ドックに運んでくれ」

「おいっす！！」

ああああ！暑い！！

汗が吹き出してくる。

俺は炎天下の中、大量の木材を運んでいた。
こんなもん、男の身体だったら
簡単に運べるはずなのに。

「負けねぇぞーーーーー！！！」

ガッ

「ん？！」

何かが台車を止めた。
違和感を感じて顔を上げると
そこにはルッチが立っていた。

「あ、の！邪魔なんですけど！」

『クルッポー！』

「何だよ！言いたいことがあるなら言え！」

『……』

「っおい…！」

ルッチは黙って台車を引いた。
ぐんぐん前に進んでいく。

「何なんだよ…っ」

一人で運んでる時とは非じゃないくらい早い。
あっという間に目的地に着いてしまった。

　

「…手伝ってくれたのか？」

『のろまで見てられなかっただけだ』クルッポー

「はぁ？！放っとけ！」

『ちょっとこっち来い』

「え、ちょっと…！」

ルッチに手を引かれて物陰に連れて行かれた。

ただでさえ何考えてるのか分からないやつなのに
ここに来て喋らなくなったから、より分からん。

「何なんだってば、ルッチ…！」

「…お前。目立ちすぎだ」

「うお、喋った」

「本来の目的を忘れるな」

「んなこと言われなくても分かってるよ！」

コイツがご機嫌なときは基本的に無いが
(敵をぶちのめしてる時は楽しそう)
なんとなく機嫌が悪い気がした。

「…おいルッチ、お前…」

「何だ」

「もしかして、ヤキモチ妬いてる？」

「ふざけるな」

「だって変だろ！俺とお前が２人でこんなとこに
　いるとこ見られたら怪しまれるに決まってる。
　なのにそんなリスクも省みないほど
　お前は俺と２人きりになりたい。違うか？」

「それが貴様の小さな脳みそで考えた答えか」

「目立ちすぎってんならカリファだって
　カクだって、お前だって同じだろ！」

流石に俺だって
自分に向けられてる視線くらい分かる。

ルッチのやつ、それを"目立ちすぎ"って言ってんだ。

「一度抱いたくらいで勘違いするな」

「んなっ！馬鹿、滅多なこと言うな！！」

「お前が望むならいつでも歓迎してやろう」

「ふざけんな！死ね！！」

堪忍袋の尾が切れた。

コイツぶっ飛ばしたろ！！

「おいお前達…こんなとこで何やっとる…」

「あ、カク！」

「持ち場へ戻れ。馬鹿者」

「ほら、ルッチのせいで怒られた！」

『クルッポー』

「コノヤロウ！！」