【ルッチ】兎と豹【ワンピース】 (ページ12)

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任務当日。

「っし…いっちょやるか！」

ｶﾘﾌｧ「A、今回も前回と同じよ。
敵を倒す事より機密文書を守ることが優先。
無意味な闘いは避ける事」

ﾙｯﾁ「そうだ。この間みたいに
誰かを巻き添えにされたら困る」

ｼﾞｬﾌﾞ「お前も大人しく留守番してれば良かったんだ」

「あ～！うるせー！！革命軍なんか
全部まとめて引っ捕まえてやるんだから、見てろよ！！」

ｼﾞｬﾌﾞ「だから！捕まえなくて良いんだっつの！」

うるせー。うるせー。

みんなして馬鹿にしやがって。

「ぜってぇ元の身体に戻ってやる…！」

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カリファとクマドリは右舷後方
ブルーノと俺は別の船にて並走
フクロウはマストから見張り。

ジャブラとルッチは前方を固め
敵が現れたらオールラウンドに自由に動く。

本来ならジャブラの位置に俺がいた。

この配置から考えても俺は"戦力外"だ。

「(傍から見物してろってか…)」

ﾌﾞﾙｰﾉ「A、余計なこと考えるな」

「…別に何も考えてねーよ」

ﾌﾞﾙｰﾉ「配置が不満だって顔に書いてある」

「…チッ。ブルーノはいつもお見通しか…」

ﾌﾞﾙｰﾉ「お前が考えてる事は筒抜けだ。
顔に出やすいんだよ。諜報員に向いてない」

「うるせぇな…」

船が出航して一時間程経過していた。
今のところ異常は見られない。

今回はのんびりした船旅になるか…

ﾌﾞﾙｰﾉ「仮に革命軍が襲撃してきたとして
イワンコフが居ない場合もあるんじゃないのか」

「そん時は仲間を捕まえてアジトを吐かせりゃいい」

ﾌﾞﾙｰﾉ「成程な…」

「革命軍の潜伏場所は未だに不明だ。
　見つけたら全部ぶっ潰してやる」

ﾌﾞﾙｰﾉ「そう上手く行けばいいが…」

ブルーノは時には俺を諭してくれて、
愚痴も聞いてくれる兄貴みたいな存在。

「なぁ、ブルーノ…俺はどうしたら良い…？」

道力にこだわるつもりは無かった。

"男としての強さ"をなくした今
自分の存在意義が分からなくなった。

今まで自分がやってきた事は
全部"暴力"にしか過ぎなかったんだって
改めて気付かされた。

男として、じゃなくて

人として強くならなきゃいけなかったんだ…

ﾌﾞﾙｰﾉ「前向け。気を抜くな」

「……あぁ、そうだな」

ブルーノの大きな手が俺の頭にポンと乗った。

前よりも、ずっと大きく感じる。