【ルッチ】兎と豹【ワンピース】 (ページ2)

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「っねぇ…本当にワンちゃんなんて飼ってるの？」

「あぁ。飼ってるよ。いいから早く入れよ」

「ふふ。せっかちね…」

やった！

ついにやった！

３ヶ月通って口説き続けた酒場のマリア。
ようやく俺の部屋に連れてくるまでに至った。

「やっぱり。居ないじゃない。嘘つき」

マリアが頬を膨らませた。

分かってるんだろ？

犬なんて飼ってない。
お前を部屋に呼ぶための口実だって。

「あながち嘘じゃないかもしれないぜ？」

男の部屋に来たらこうなるって
分かってるくせに、知らないフリをする。

それが大人の女だ。

「ふふふ…♡狼の間違いだったかしら…」

そのまま優しくベットに寝かせて、
白い肌に触れると彼女は慣れた手つきで
俺のシャツのボタンをひとつずつ外していき……

バンッ！！

「ん？！」

「キャッ…！！」

「A。緊急出動だ」

「ルッチ…！？俺ぁ今日非番だろ！」

「聞こえなかったか？緊急と言っただろ」

俺の同僚ロブ・ルッチは勢いよく扉を開けて
仏頂面で言い放った。

「見りゃ分かるだろ？！今イイとこなんだよ！」

「任務は絶対だ。女、帰れ」

「な…っ！失礼しちゃう！
　言われなくたって帰るわよ！！」

「おいおい待てよ、マリア！
　この埋め合わせは必ず…」

「最っ低！恥をかかされたわ。
　もう二度とうちの店に顔出さないで」

あああ！最悪だ。めちゃくちゃキレてる。

乱れた服を直しながら彼女は出て行ってしまった。

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「ハァ…。クソ…ハァァァァ…」

「静かにしろ」

「俺が！どんだけあの店に通い詰めたか！！
　お前は知らねぇからそんなことが言えるんだ！」

「いいから早くベルトを締めろ。だらしない」

「あぁーくそ…
　ろくな任務じゃなかったら覚えてろよ、ルッチ」

早足で目的地に向かいながら身なりを整えた。

「攻撃を受けている」

「はぁ？どこの馬鹿だそんな事すんのは」

「革命軍だ」

「何…？」

俺たちの天敵…革命軍。
奴らが何故攻撃を…？

「機密文書の存在がバレた。奴らの狙いはそれだ」

「何だと…！？何故ヤツらが…」

機密文書。

俺たちも内容は知らない。

ただ世界政府にとってとんでもなく
重要なものだってことだけ。

「アイツらの情報網は計り知れない。
　とにかく今は死守せねばならん。
　女を抱くのはその後にしろ」

「チッ…」