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こうして客としてこの店に来るのは初めてだ。
「…で、君も海賊なの？懸賞金は？」
「もう、茶化さないの。ミイラにされるよ〜！」
「テメェが一番茶化してんじゃねぇか」
ケンは柔軟な男で、俺や白ひげの話を本気とも取らず
しかし否定するでもない。
酒の肴程度に思っているのかもしれないが
とにかくコイツは楽しい事が好きだった。
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最後の客を見送ってAはフゥ、と一息ついた。
「さ、終わった！
片付けるから、先帰っててよ」
「…そんなに時間はかからねぇだろ」
「え？んん。まぁ、30分くらいかな？」
「付き合う」
「…そう。ありがと」
手際良く皿を片付けて行くAを見ながら
俺は残りの酒を煽った。
「何？じっと見て」
「あァ、いや、別に」
「変なの」
「…なぁ、あのケンとかいう奴…一人もんか？」
「うん、そうね。独身貴族ってやつ。
何？やいてるの？」
「そういう訳じゃねぇ」
週に４日も５日も仕事の後に寄るって事は
多少懐に余裕がある奴だ。
「クロちゃんが想像するような間柄じゃないよ」
「別に何も想像してねぇ」
「ふふ」
片付けをある程度終えたAが
カウンターから出てきて俺の方へ回る。
「ヤキモチ妬いちゃって、かわいい」
そして頬にキスを落とした。
「…してねぇって言ってんだろ」
「そう？」
この女といると調子が狂う。
まるで飼い慣らされた犬のようだ。
「キャッ…！」
少し腹が立ったのでAを腰を引いて
俺の上に座らせる。
Aは驚いて顔を赤くした。
「ちょっと、やめてよ…お店で」
「認めてやるよ。俺の女をつまみに
酒を飲んでる男がいるのは少々面白くねぇな…」
「つまみなんて下品なこと言わないで」
「アイツはお前にこんなこと出来ねぇんだろ？」
「やっ…もう…！」
Aの尻に手を回し、胸元に顔を埋める。
俺の腹のうちはドロドロした嫉妬でいっぱいだ。
こんなに強く、独占欲を感じた事はない。
「ゃだ…！」
半ば無理矢理にシャツをたくし上げて
胸元にキスマークを付けてやる。
「もぅ、やめてってば！」
「いってぇ…」
「馬鹿っ！もう、帰るよ！」
Aは俺の頬を思いっきりつねった。
砂人間の時はこんな事あり得えなかった。
俺はヒリヒリと残る頬の痛みを感じながら
渋々Aを膝から下ろしたのだった。
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ちゃわん虫(プロフ) - kanraiさん» ありがとうございます！とっても嬉しいです〜。ちょこちょこと更新してゆきますのでよろしくお願いします！ (2021年3月20日 11時) (
レス) id: 04e07cddb0 (このIDを非表示/違反報告)
kanrai - 凄く面白くて好きです！！更新楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2021年3月16日 23時) (レス) id: 719db3de2f (このIDを非表示/違反報告)
ちゃわん虫(プロフ) - ダダン巻きさん» ありがとうございます！ちょこちょこと更新してゆきます〜 (2021年2月24日 22時) (レス) id: 65c61994ea (このIDを非表示/違反報告)
ダダン巻き(プロフ) - 一話の時点でもう面白い……ちゃわん虫さん流石です…！これから楽しみにしてます！ (2021年2月23日 16時) (レス) id: 04fb927f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃわん虫 | 作成日時：2021年2月23日 15時
