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「………」
傷ひとつない。
血が流れていたはずだ。
俺は死んだのか？
「あ、起きた。大丈夫？」
「！」
よく見るとここは酒場のようなところだった。
カウンターの中にいる女が俺に話しかける。
「テメェ何者だ…」
「わ、助けてあげたのにその言い方ないんじゃない？」
「助けただと…？」
「うちの店の前で寝てたんだよ。
担ぐの大変だったんだからね！」
女は眉間にシワを寄せながら
グラスに水を注いで俺に手渡した。
「…ここはどこだ」
「どこって…」
「何という島だ」
「島？んん、まぁ島と言えば島国だけど…
変なこと言うね。ねぇ、お腹空いてる？」
「おい女。ここはアラバスタからどれくらいある」
「アラバスタ？どっかのキャバクラか何か？」
女は首を傾げながら
何やら小さくて四角い箱のようなものを操作している。
「アラバスタっていうバーならあるみたいだけど
他県だし、ここから遠いよ？」
「バーじゃねぇ…国だ！！アラバスタ王国だ！」
「？そんな国無いけど」
「無い…だと…？」
「お兄さん、ちょっと疲れてるんじゃない？
とにかく何か食べなよ。まだオープンまで時間あるし」
「……」
どうなってる。
何が起きている…？
なによりも驚いたことは、
遠く昔失ったはずの左手が、ある事だ。
.
.
.
.
.
.
「はい、どーぞ。みんな大好き唐揚げ〜！」
「………」
「あれ、嫌いだった？
大体みんな頼むんだけどな、飲み会とかさ」
「この国の名は…なんだ」
「はぁ…？えーと、ここは日本。日本の東京。
そしてここは私がやってる"小料理屋 凡"！」
知らない言葉が羅列されている。
世界は広い。
ただ、"日本"なんていう国は聞いたことがない。
「トウキョウ…」
「これで満足？そういえばお兄さん、名前は？」
「…サー・クロコダイル…」
「…クロ、コダイル…？
へえ、変わった名前。源氏名かなんか？
まぁいいや。私は"A"よろしくね。クロちゃん」
「クロ…ちゃん…だと？」
当たり前のようにコイツは…
王下七武海のこの俺の名を知らない。
「クロちゃん？ちょっと…！」
俺は黙って店を出た。
俺の名を呼ぶ声が聞こえたが
キーンと耳鳴りがして、それを遮った。
.
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ちゃわん虫(プロフ) - kanraiさん» ありがとうございます！とっても嬉しいです〜。ちょこちょこと更新してゆきますのでよろしくお願いします！ (2021年3月20日 11時) (
レス) id: 04e07cddb0 (このIDを非表示/違反報告)
kanrai - 凄く面白くて好きです！！更新楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2021年3月16日 23時) (レス) id: 719db3de2f (このIDを非表示/違反報告)
ちゃわん虫(プロフ) - ダダン巻きさん» ありがとうございます！ちょこちょこと更新してゆきます〜 (2021年2月24日 22時) (レス) id: 65c61994ea (このIDを非表示/違反報告)
ダダン巻き(プロフ) - 一話の時点でもう面白い……ちゃわん虫さん流石です…！これから楽しみにしてます！ (2021年2月23日 16時) (レス) id: 04fb927f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃわん虫 | 作成日時：2021年2月23日 15時
