【気紛れ】季節外れのおれんじふろーと(えんど)【短編】 (ページ3)

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＊だって君は存在しないらしいから【ストロウ】ページ3

『あ』
「…」

そんなはずはない。そんなはず…、ないんだけど

でも。

今一瞬…目が合ったような…

視線が合ったような気がしたんだ。

『化身』の君と。

『なわきゃ、ない…よねっ』

ニヘラと作り笑いを浮かべた

この世に存在しないはずの君に、恋をした。

君はフェイくんが生み出したデュプリに過ぎないのにね

本当の人間じゃあ、ないのにね？

意思が、有るはずがないんだ。

どんなに想ったって、君はそこには「いない」のに…

この想いが報われるはずがないのに

愚かなあたしは、まだ君を想っていたいみたい。

無駄なのに…

この恋が実るはず、ないのに…。

どうしてこうなっちゃったんだろうね

苦しいや。
せつないね。
もうどうしようもないよね。

どうにもならないけど、せめて…最期まで想わせて下さい、祈らせて下さい

自分がバカでしょうもないってこと、とっくに判ってるよ、気付いてるよ、それでも…っ

「偶然」って運命を、あたしは信じてみたいんだ